2019年11月15日金曜日

83)106才の自覚なし!

ゆしまの郷に着くと、なにやら賑やかな音楽が流れていました。正面玄関の壁に目を遣ると、「ゆしまの郷 敬老会」というチラシが貼ってありました。楽しげな可愛らしいチラシでした!

第一部は11時からで、第二部が14時からと書いてありました。私が敬聴をさせて頂く6階は午前中に終わったようです。

さて、6階に着くと、お馴染みの方々がテーブル席に座っておられました。キクさん(101才 女性)はテーブルに凭れ(もたれ)眠そうでした。トシコさん(95才 女性)も所在無げにされていました。でも、ご挨拶すると嬉しそうに応えてくれました。

暫くすると キクさんが身体を起こされ、私と目が合いましたのでお傍に行きました。「こんにちは。お元気でしたか。今日は敬老会だったそうですね。」と話しかけると「あらっ、そうだったかしら?」ときょとんとされました。

「そこの壁にチラシが貼ってありますよ。」とやんわりお伝えすると
「ごめんなさい。そうだった・・?みたいねぇ。」と自信無げに仰いました。
でもキクさんは「いつも来て下さってありがとうね!」と仰って下さいました。

そうこうする内に、カズさん(106才 女性)が車椅子に乗り 颯爽と現れました。聞くところによると、カズさんは今やこの施設の最年長だそうで、今日、ご長寿を表彰されたとのことでした。(介護士さん談。)

私がカズさんに「おめでとうございます! カズさんは、この施設 一番の〝お姉さん〟だそうですね!」とお祝いの言葉を述べると

「そうみたいね。自覚症状はないけどね!」とのお返事。他人事のように笑って仰いました。最高です、ユーモアのセンスも抜群です。(エクセレント!)

その後、今日頂いた表彰状を見せて頂くために、 カズさんのお部屋にお邪魔いたしました。4度目の訪問でした!

お部屋の片隅にあるチェストの上に、安倍晋三総理から戴いたという「百歳への表彰状」と小渕恵三元総理から戴いた「第一期生 ※従軍看護婦への感謝状」の隣に、今回の表彰状が立てかけてありました。

※日本の従軍看護制度が始まったのは明治20年代と言われる。1890年(明治23年)4月に、日本赤十字社看護婦養成所に10名が一期生として入校した。養成期間は3年で、卒業後には20年間にわたり応招義務が課せられた。

           ( 2019年9月21日(土) 14:00~16:00 )

迎賓館赤坂離宮 庭園

迎賓館赤坂離宮




2019年10月25日金曜日

82) ガッツポーズ!

今日もK有料老人ホームでの敬聴です。 四回目となりました。
1階の事務の方より「今日は4階で行って欲しい。」と言われました。エレベータに向かっていると、先程の事務員さんが追いかけてきて「すみません。2階フロアでお願いします。」と変更されました。

2階に着くと、車椅子に座り カウンター席に一人ポツンとされている コウタロウさん(78才 男性)という方がお出ででした。男性入居者と一対一での敬聴は初めてでした。(大丈夫かな・・。)少々、わたくし 緊張してきました。

先ずはご挨拶と自己紹介をいたしました。コウタロウさんも‘やむ無く’介護士さんに紹介され頷きました。富山ご出身だそうです。J大学病院に通うための入居だそうでした。(凄い!)

少しお話をしましたが、コウタロウさんは(さっきまでお傍にいらしたと言う)もう一人の男性を探し始めました。お尋ねするとその方は40才くらいの入居者(?)だそうですが・・。その方を探しに行きたいので、車椅子を押して欲しいと頼まれました。しかし入居者さんの車椅子を押し移動するのは、傾聴ボランティアの禁止行為です。

結局、介護士さんが宥め(なだめ)賺(すか)して彼の車椅子を押しながら出ていきました。(因みに、その探していた男性とはリハビリの先生でした。)

その後、別の介護士さんから「この方と一緒に4階に行って頂けますか」と頼まれました。この方とは・・、前回 敬聴させて頂いた カツコさん(85才 女性)でした。(このブログの79)参照。)

カツコさんは私を見るとニッコリとなさいました。覚えていて下さったようです。介護士さんに車椅子を押されたカツコさんと一緒に4階に行き、フロア隅のカウンター席に移動しました。

あらためてカツコさんに向き合うと、薄ピンク色のマニキュアをした爪が目に留まりました。今日も素敵なメタルパーツが付いていました。そして指には豪華なルビーの指輪! 私が爪のマニキュアをお褒めすると、カツコさんは「本当はもう少し濃い色の方が好きなの。」と仰いました。そして・・、ファッションの話に花が咲きました。

カツコさんは私の着ていた服(濃いオレンジ色の麻のセーターと白いバミューダパンツ)を褒めて下さいました。そして私が着けていた馬のペンダントに手を伸ばされ触れました。

「あなた、センスが良いのね!」と。そして・・ 「それはどこのブランド?」とお尋ねになりました。「いえいえ、大したブランドではありません。」とお答すると、カツコさんは目を丸くされました。私は 前回 尋ねられた「そのパールのネックレスはミキモト?」を思い出しました。あの時も困惑いましたけれど・・。

カツコさんへの敬聴終了後、4階の皆さまにもご挨拶をして帰ろうとすると、(4階に入居の)マサさん(85才 女性、少々‘辛口’な方)から「次は(私にも?)話を持って来てね!」と言われました。

私がお一人の方とだけ話をしていたので、お淋しかったのでしょうか。羨ましかったのでしょうか。私は複雑な気持ちになりました・・。

でも、私が皆さまに力こぶを作ってみせると、あのマサさんからガッツポーズを返されました!
         ( 2019年  9月  10 日(火)16:00~17:00 )


紅葉と高揚
photo: (c) Hiro K
http://ganref.jp/m/md319759/portfolios


2019年10月15日火曜日

81)仲良しこよし

今日は介護付き有料老人ホームでの敬聴です。 ここも三回目となりました!

施設の方から今日は2階で行って欲しいと言われました。2階フロアに到着すると、エレベーターで同乗のヨシコさん (88才 女性) も一緒に降りられました。
(この階の方だったのですね。)ヨシコさんに導かれ、私はフロア中ほどのソファに着席いたしました。

すると、このフロア担当の介護士さんが 「サチさんもお呼びして、ご一緒にお話されたらどうかしら。」 と提案なさいました。お二人は大の仲良しだそうです。この施設で初めてお会いした方同士なのに・・です。(良い方に巡り合えてお二人はお幸せです。)ヨシコさんは頷き 私と向い合せの席に座られました。

ヨシコさんに日常の過ごし方などを伺っていると、
「ごめんなさい! 遅くなってしまって。」と申し訳なさそうにサチさん (84才 女性) がフロアに現れ、話の仲間に加わりました。

初めは お二人とも緊張(?)なさっているせいか、会話も弾みませんでしたが、施設でのお食事について話をふると、お二人ともにこやかな笑みを浮かべ 話し始めました。

お二人はお肉が大好きだそうで、「(ここの施設では)食事にステーキが出ないのが少し不満だけど、食べたい時には自分で近くのお店に買いに行けば問題はないわ。」とヨシコさんは仰っていました。
(なるほど、それくらい積極的に行動できるなら お元気だということですよね。素晴らしいです! ‘ご自分がしたい事や出来る事はご自身で’ですね。)

そして極めつけは〝お酒〟の話でした!ヨシコさんは更に饒舌になり、お話しが盛り上がりました。(お酒が大好きのようです!) 施設でも夕食時にはアルコールは召し上がっても良いのだそうです。そしてヨシコさんのお部屋の冷蔵庫には常にビールが入っており、ブランデーも常備しているとのことでした。晩酌と寝酒用のためとか。(これまた素晴らしい!)

私は亡き母を思い出しました。
母はお酒が大好きでしたが、施設に入ってからは お花見の時に小さな缶ビールをあげても「苦い!」等と言って 飲めなくなりました。食事も肉料理(特に牛肉のステーキ)を食べたがりました。(お鮨が大好物だった母が・・です。)施設の食事は鶏肉や豚肉が多く しかも ひき肉料理がよく出ると言っていました。

当時 私は、お年寄りには ‘噛みやすくて食べやすい’ ひき肉料理が無難なのだと思っていました。でも今思うに お年寄りだって たまには牛肉料理も食べたかったのだと察します。身体が欲していたのだと思います。それだけ食欲があるのは元気の証のような気がしました。

因みに、その証拠にヨシコさんはお丈夫で、なんと50才から病気知らずとのことでした。(好き嫌いがなく、なんでも美味しく召し上がるからでしょうか。凄いです!)

その後、ヨシコさんは ますます フレンドリーになり、「貴方もここにいらっしゃれば(入居すれば?)良いのに!」と仰いました。(私、ポカーン・・・。)
サチさんはすかさず「この方は まだお若いから 無理よ。早いわよ。」とフォローして(?)下さいました。
「あら、そうだわね。ちょっと若いわね。残念!」とヨシコさん。(ホッとしました。私も)

敬聴終了後には、お二で一緒にエレベーターのところまで送って下さり、名残惜しそうにいつまでも手を振って下さいました・・。お揃いの金(ゴールド)と銀(シルバー)のステキな室内履きシューズで。

私は何だか幸せな気持ちになりました。「敬聴をさせて頂いて良かった!」と思いました。

           ( 2019年  8月  8 日(木)16:00~17:00 )

円成寺 大日如来

円成寺

2019年9月25日水曜日

80)「ゆしまの郷 夏祭り」

この日は特養「ゆしまの郷」の夏祭りでした!

先ず1階のホールを覗いてみました。すでに大勢の人が集まっていました。
ホールの真ん中では人々が太鼓をかこみ 輪になって盆踊りを行っていました。
炭坑節でしょうか、囃子がながれていました。入居者やそのご家族、また職員さんも皆さま お揃いのピンクやブルーの半纏をお召しになっていました。

見渡すと、6階の顔見知りの方々も何人かいらしてました。皆さま とても楽しそうに手拍子をなさったり、座ったままで手踊りをされていらっしゃる方もお出ででした。

ブルーの半纏をお召しになった家族会のMさん(先日の傾聴志願者、82才 女性)もいらしており、少しお話をいたしました。

そして6階の敬聴に向かおうとした時、N子先生(ゆしまの郷の副理事長)とバッタリお会いしました。N子先生は私を見つけると「○○さん(私のこと)、あなたを待っていたのよ。」と仰って少し敬聴についてお話をいたしました。

時間は刻々と過ぎ、急いで6階へのエレベーターに着いた時、車椅子を押されたトシコさん(95才 女性)に出くわしました。私がトシコさんの肩に手を触れ 中腰になってご挨拶すると、トシコさんはお顔をほころばせ、やがて泣き始めました。私の手を握り離しませんでした・・。

6階に着くと、そこにはあまり人がいませんでした。介護士のTさん(70代 女性)が「今日は‘夏祭り’だから、殆どの方が一階に行っているか、お部屋で休んでいるのよ。どうします?」と仰いました。

「はい、分かってます。いま1階のホールを覗いてきましたから。」と答えると
「じゃあ、今日は私が傾聴して頂こうかしら。」とTさんは笑いながら仰いました。時計を見てみると、(敬聴の終了時間まで)もう15分位しかありませんでした。「では、少し雑談でも・・。」と私も笑って答えました。

聞くところによると Tさんは以前、訪問介護のお仕事をしていたそうです。その後、ご縁があって この施設に勤めるようになったとのことでした。

Tさんは真顔で「私がこういう施設で働いているのに、実母が介護を必要としている時には、自分自身でお世話が出来ず、今は弟が面倒を見てくれているのよ。」と声を落とし、遣る瀬なさそうに話されました。
「私も もう年だし・・、この仕事を続けるのも大変なのよ。」と付け加えになりました。

複雑です。切ない話です。先日の介護付き有料老人ホームでも同じようなお話をお聞きしたばかりです。日本の未来はどうなってしまうのでしょうか。

          ( 2019年  7月20日(土)14:00~16:30 )



オークランド動物園







2019年9月15日日曜日

79)「銀座の美味しいシュークリーム屋さん」

今日は介護付き有料老人ホームでの敬聴です。

職員さんから4階でのグループ傾聴を依頼され、皆さまにご挨拶をしていると、息をきらして2階から上がってきた介護士さんに「昨日入居された2階の方が、話し相手がいなくて淋しいと仰っていますので2階でお願いします。」と言われました。

私は慌てて4階の方々に「ごめんなさい。後でまた来ますね。」とお詫びして、急いで 2階に降りました。

カウンター席で紅茶を召しあがっていたその方は、カツコさんという85才の女性でした。不安げな眼差しで 少々 他人に対して警戒心が強いように見えました。人見知りなのかもしれません。介護士さんに紹介され、私はカツコさんのお隣に着席いたしました。

 なるべく  ゆっくりとした口調で、にこやかに 「初めまして○○と申します。今日はお話を伺わせて頂きますね。よろしくお願いいたします。」とご挨拶すると、 カツコさんは少し‘はにかみ’ながら 私の方にお顔を向けました。(何からお話をお聴きしたら良いかしら?)

「昨日、ご入居されたのですか。」とお尋ねすると、 カツコさんは戸惑われ、介護士さんに助けを求めるように目を遣りました。 (うーん、困ったなあ。お話を伺う糸口は何にしようかしら ・・・。)

ふと目を遣ると、カツコさんの爪にはライトコーラル(赤みを帯びた肌色のようなピンク色)のマニキュアが綺麗に塗ってありました。 「きれいな爪ですね。そのマニキュア、素敵です!」と言うと、 少し顔がほころび、カツコさんは両手を少し広げ、私に目を向けました。

 「これは・・ね。昨日 ここで(この施設で)資生堂の美容部員が塗ってくれたの。でも、私は いつも 銀座のサロンに行き、ネイリストに塗って頂いているの。」と仰いました。よく見てみると、爪の半月部分にはメタルパーツまで付いていました!

「あなたは何処のサロンにいらしているの?」と今度はカツコさんから尋ねられました。私は慌てて、「いえいえ、私は自分で塗っています。」とお答すると 
「そう。」と仰いました。そしてもう一度、ご自分の手をご覧になりました。

その後は、ご自身の事を少しづつ話されました。
10年前に亡くなられた立派なご主人のこと。才能あふれるお孫さんの話。そしてご自身はクラシック音楽が大好きなこと等など。ただひたすら・・、私はお聴きしました。

カツコさんはとてもお洒落な方で、ヘアカットには六本木の‘カリスマ美容師’のお店まで、車でいらっしゃるそうです。 「(これからは)ネイリストにはここ(この施設)に来て頂こうかしら。」と仰いました。

その後、お話は美味しいスイーツにうつりました。
「ねえ、銀座に美味しいシュークリーム屋さんがあるでしょ。何というお店だったかしら?」とお尋ねになりました。 (私・・・?)私は知る限りのお店の名を上げましたが・・、どれも違いました。何処かしら? 

後日、友人・知人に聞いても分りませんでした。未だに謎・・です。

「今度 銀座に行ったら、皆さんにお土産に買ってきてあげましょう。」と付け加えになりました。
いろいろな方がお出でですね。わたし少々、カルチャーショックを受けました。

          ( 2019年 7月16日(火)16:00~17:00 )

オークランド動物園


ミーアキャット


2019年8月25日日曜日

78)二つの施設での敬聴 その2

初めての施設です! ここは都内でも屈指の超豪華な介護付有料老人ホームです。
これからこの施設でも敬聴させて頂くことになりました。

傾聴のボランティアグループの先輩 I さんと施設の重厚なエントランスで待ち合わせをし、職員の方から指定された4階に参りました。なお、お部屋に伺う前には手洗いとうがいが必須でした。


ここでの傾聴は曜日と時間帯の指定があり、平日の16時からとのこと。また傾聴させて頂く方も当日 施設側から指示されるとのことでした。伺う場所は2階の個室か4階フロア(グループへの傾聴)だそうです。とても厳格です。

私達が格調高いエレベーターに乗り 4階に着くと・・、そこはまるでサロンのようでした!


フロアは焦げ茶と淡いピンクを基調としたおしゃれなインテリアで、落ち着いた雰囲気でした。女性専用のフロアのようです。
テーブルを囲み 1人掛けソファ 二つにお二方、
3人掛けソファにもお二人がお座りになっていて、お誕生席(?)には車椅子の方もお出ででした。
そこには まったりとした時間が流れていました。

先輩の I さんが皆さまに「今日は私より少し若い方を連れてきました!」と私のことを紹介して下さると、すかさず 真正面の3人掛けのソファに座っていらしたマサさん(85才 女性)が「なんだ、少しじゃないよ。ぐっと若いじゃないか!」と仰いました。結構 きつい口調でした。

I さんも私も少々怯みました。その後もマサさんは I  さんの言動に難癖をつけていました。
(お淋しいのかも知れませんね。ご自分の方に関心を向け、構って欲しいのだと私は思いました。) 
しかし、さすが先輩の I さんはめげずにご持参された ‘お手玉’ や ‘色カルタ’ などの傾聴用の遊び道具を広げました。

一方、私の方は自己紹介の後、I さんに勧められ 3人掛けソファの真ん中に座らせて頂きました。左隣が例のマサさんで、右隣はトキさん(83才 女性)と言うにこにことしたお綺麗な方でした。

トキさんは 「
まあ、(あなたが)私の話を聴いて下さるの?」 と仰りながら、懐かしそうに昔話をきかせてくださいました。本郷生まれで中堅の化粧品会社(私が子供の頃、TVのCMで見たことがありました。)にお姉さまが嫁がれていると仰っていました。

そして 「私はね、こんなに立派な施設に入れて幸せなの。有難いわ!」 と何度も仰いました。
 「ここはね、(入居金や月額費用が)お高いので職員の家族でも入れないのよ。」
そして「ご自分の親を介護(世話)もできず、他人の親の面倒を見るなんて悲しいわよね?」等と憐れんでおられました。(・・・切ない話です。)

他の方々は ただソファに座っていらっしゃるだけで所在なげに見えました。高級な有料老人ホームゆえ至れり尽くせりで、入居者は ‘おしぼりたたみ’ のような お手伝い事もなく何もすることがないようです。TVや時おりの訪問者との会話以外には。


もちろん、私がとやかくいう話ではありません。施設の基本方針とかコンセプト、また ご本人やご家族のご意向などがありますので。

でも、考えさせられました。「幸せってなんだろうか」と。どんなことでも良いので、人の役に立つことをして、周りの方に喜ばれる方が幸せな気が私はします。ゆしまの郷のキクさん(100才 女性)のように。

          ( 2019年 6月13日(木)16:00~17:30 )




オークランド動物園

2019年8月15日木曜日

77)二つの施設での敬聴 その1(おしぼりたたみ)

ゆしまの郷ではこの日が入浴日(6階は14時~)とかで、一時間早い時間帯での敬聴となりました。

お腹いっぱいに召し上がった昼食後の時間だったため、皆さま けだるい雰囲気でした。うつらうつらとしている方もお出ででした。食後の眠気は生理現象ですから仕方ないですね。

さて、見渡すとキクさん(100才 女性)と夕子さん(95才 女性)が二人仲良く並んで座っていらっしゃいました。私はお傍に行き、仲間に入れて頂くことにしました。

「今日はお昼に何を召し上がりましたか。」とお尋ねすると、
「えっ、食べたかしら? (うーん)・・忘れちゃったわ。」と首を傾げるキクさん。
「なんかねぇ・・、お魚を食べたわよ!」と夕子さん。
「美味しかったですか?」と再び夕子さんに問うてみると、
「そうね・・、まあまあ 美味しかったわよ。」とお答えになりました。

その後 お二人は、手持ちぶさたなご様子で、暫しぼんやりとなさっていました。
キクさんは「頭もバカになっちゃったし、何もすることがなくて退屈なの。」とも仰いました。確かに刺激は少ないかもしれません。

そうこうする内に、介護士のエドさんは、お食事の際に使用する 洗濯した20枚程度の小さなタオルを カゴごとテーブルの上に置きました。

すると、慣れた手つきでキクさんは その‘おしぼり’用タオルを手で振りさばき、一枚ずつ広げて二つに折り、その長方形の短い辺の手前から奥側に向け くるくると器用に丸めはじめました。凄いです、早くてきれいです!

「凄いですね、きれいにおしぼりが出来上がりましたね。」と私が言うと
キクさんはにっこりとなさいました。とても嬉しそうでした。

「タオルをたたむ時にね、最初に巻いた真ん中をこうやって指でちょっと押すの!」と実際にやって見せて下さり、自慢げに仰いました。

先程とは打って変わって キクさんはとても自信に満ちていらっしゃいました。

        ( 2019年 6月13日(木)13:00~14:00 )

Golden lion tamarin


オークランド動物園