お腹いっぱいに召し上がった昼食後の時間だったため、皆さま けだるい雰囲気でした。うつらうつらとしている方もお出ででした。食後の眠気は生理現象ですから仕方ないですね。
さて、見渡すとキクさん(100才 女性)と夕子さん(95才 女性)が二人仲良く並んで座っていらっしゃいました。私はお傍に行き、仲間に入れて頂くことにしました。
「今日はお昼に何を召し上がりましたか。」とお尋ねすると、
「えっ、食べたかしら? (うーん)・・忘れちゃったわ。」と首を傾げるキクさん。
「なんかねぇ・・、お魚を食べたわよ!」と夕子さん。
「美味しかったですか?」と再び夕子さんに問うてみると、
「そうね・・、まあまあ 美味しかったわよ。」とお答えになりました。
その後 お二人は、手持ちぶさたなご様子で、暫しぼんやりとなさっていました。
キクさんは「頭もバカになっちゃったし、何もすることがなくて退屈なの。」とも仰いました。確かに刺激は少ないかもしれません。
そうこうする内に、介護士のエドさんは、お食事の際に使用する 洗濯した20枚程度の小さなタオルを カゴごとテーブルの上に置きました。
すると、慣れた手つきでキクさんは その‘おしぼり’用タオルを手で振りさばき、一枚ずつ広げて二つに折り、その長方形の短い辺の手前から奥側に向け くるくると器用に丸めはじめました。凄いです、早くてきれいです!
「凄いですね、きれいにおしぼりが出来上がりましたね。」と私が言うと
キクさんはにっこりとなさいました。とても嬉しそうでした。
「タオルをたたむ時にね、最初に巻いた真ん中をこうやって指でちょっと押すの!」と実際にやって見せて下さり、自慢げに仰いました。
先程とは打って変わって キクさんはとても自信に満ちていらっしゃいました。
( 2019年 6月13日(木)13:00~14:00 )
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