先ず1階のホールを覗いてみました。すでに大勢の人が集まっていました。
ホールの真ん中では人々が太鼓をかこみ 輪になって盆踊りを行っていました。
炭坑節でしょうか、囃子がながれていました。入居者やそのご家族、また職員さんも皆さま お揃いのピンクやブルーの半纏をお召しになっていました。
見渡すと、6階の顔見知りの方々も何人かいらしてました。皆さま とても楽しそうに手拍子をなさったり、座ったままで手踊りをされていらっしゃる方もお出ででした。
ブルーの半纏をお召しになった家族会のMさん(先日の傾聴志願者、82才 女性)もいらしており、少しお話をいたしました。
そして6階の敬聴に向かおうとした時、N子先生(ゆしまの郷の副理事長)とバッタリお会いしました。N子先生は私を見つけると「○○さん(私のこと)、あなたを待っていたのよ。」と仰って少し敬聴についてお話をいたしました。
時間は刻々と過ぎ、急いで6階へのエレベーターに着いた時、車椅子を押されたトシコさん(95才 女性)に出くわしました。私がトシコさんの肩に手を触れ 中腰になってご挨拶すると、トシコさんはお顔をほころばせ、やがて泣き始めました。私の手を握り離しませんでした・・。
6階に着くと、そこにはあまり人がいませんでした。介護士のTさん(70代 女性)が「今日は‘夏祭り’だから、殆どの方が一階に行っているか、お部屋で休んでいるのよ。どうします?」と仰いました。
「はい、分かってます。いま1階のホールを覗いてきましたから。」と答えると
「じゃあ、今日は私が傾聴して頂こうかしら。」とTさんは笑いながら仰いました。時計を見てみると、(敬聴の終了時間まで)もう15分位しかありませんでした。「では、少し雑談でも・・。」と私も笑って答えました。
聞くところによると Tさんは以前、訪問介護のお仕事をしていたそうです。その後、ご縁があって この施設に勤めるようになったとのことでした。
Tさんは真顔で「私がこういう施設で働いているのに、実母が介護を必要としている時には、自分自身でお世話が出来ず、今は弟が面倒を見てくれているのよ。」と声を落とし、遣る瀬なさそうに話されました。
「私も もう年だし・・、この仕事を続けるのも大変なのよ。」と付け加えになりました。
複雑です。切ない話です。先日の介護付き有料老人ホームでも同じようなお話をお聞きしたばかりです。日本の未来はどうなってしまうのでしょうか。
( 2019年 7月20日(土)14:00~16:30 )
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