施設の方から今日は2階で行って欲しいと言われました。2階フロアに到着すると、エレベーターで同乗のヨシコさん (88才 女性) も一緒に降りられました。
(この階の方だったのですね。)ヨシコさんに導かれ、私はフロア中ほどのソファに着席いたしました。
すると、このフロア担当の介護士さんが 「サチさんもお呼びして、ご一緒にお話されたらどうかしら。」 と提案なさいました。お二人は大の仲良しだそうです。この施設で初めてお会いした方同士なのに・・です。(良い方に巡り合えてお二人はお幸せです。)ヨシコさんは頷き 私と向い合せの席に座られました。
ヨシコさんに日常の過ごし方などを伺っていると、
「ごめんなさい! 遅くなってしまって。」と申し訳なさそうにサチさん (84才 女性) がフロアに現れ、話の仲間に加わりました。
初めは お二人とも緊張(?)なさっているせいか、会話も弾みませんでしたが、施設でのお食事について話をふると、お二人ともにこやかな笑みを浮かべ 話し始めました。
お二人はお肉が大好きだそうで、「(ここの施設では)食事にステーキが出ないのが少し不満だけど、食べたい時には自分で近くのお店に買いに行けば問題はないわ。」とヨシコさんは仰っていました。
(なるほど、それくらい積極的に行動できるなら お元気だということですよね。素晴らしいです! ‘ご自分がしたい事や出来る事はご自身で’ですね。)
そして極めつけは〝お酒〟の話でした!ヨシコさんは更に饒舌になり、お話しが盛り上がりました。(お酒が大好きのようです!) 施設でも夕食時にはアルコールは召し上がっても良いのだそうです。そしてヨシコさんのお部屋の冷蔵庫には常にビールが入っており、ブランデーも常備しているとのことでした。晩酌と寝酒用のためとか。(これまた素晴らしい!)
私は亡き母を思い出しました。
母はお酒が大好きでしたが、施設に入ってからは お花見の時に小さな缶ビールをあげても「苦い!」等と言って 飲めなくなりました。食事も肉料理(特に牛肉のステーキ)を食べたがりました。(お鮨が大好物だった母が・・です。)施設の食事は鶏肉や豚肉が多く しかも ひき肉料理がよく出ると言っていました。
当時 私は、お年寄りには ‘噛みやすくて食べやすい’ ひき肉料理が無難なのだと思っていました。でも今思うに お年寄りだって たまには牛肉料理も食べたかったのだと察します。身体が欲していたのだと思います。それだけ食欲があるのは元気の証のような気がしました。
因みに、その証拠にヨシコさんはお丈夫で、なんと50才から病気知らずとのことでした。(好き嫌いがなく、なんでも美味しく召し上がるからでしょうか。凄いです!)
その後、ヨシコさんは ますます フレンドリーになり、「貴方もここにいらっしゃれば(入居すれば?)良いのに!」と仰いました。(私、ポカーン・・・。)
サチさんはすかさず「この方は まだお若いから 無理よ。早いわよ。」とフォローして(?)下さいました。
「あら、そうだわね。ちょっと若いわね。残念!」とヨシコさん。(ホッとしました。私も)
敬聴終了後には、お二で一緒にエレベーターのところまで送って下さり、名残惜しそうにいつまでも手を振って下さいました・・。お揃いの金(ゴールド)と銀(シルバー)のステキな室内履きシューズで。
私は何だか幸せな気持ちになりました。「敬聴をさせて頂いて良かった!」と思いました。
( 2019年 8月 8 日(木)16:00~17:00 )
円成寺 大日如来 |
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