3ヶ月程前、区民プロヂュース講座の相談窓口に90歳の女性がいらっしゃいました。正確に言うと「マーガレット・ミッチェル『風と共に去りぬ』(1936)からアメリカ社会を知る」という文京アカデミア講座の受講料を支払いにいらしたのです。
それが・・、支払いの際に小銭(100円玉で1000円分位)で払おうとし、職員に断られてうろたえていたので、私の方からお声掛けしました。
世知辛い世の中で「小銭を両替するのにも お金がかかる」と、私はつい最近知人から聞きましたが。しかし、あの時は区の施設で しかもご高齢の受講者でした。臨機応変な対応をして頂きたかったです。個人的な感想ですが。小銭でもお金はお金ですから。
私は彼女(Kさん)が待たされている間、椅子をお勧めし 区民プロヂュース講座の企画について少々お話をしました。すると熱心にお聴きになっていたKさんは「90歳の私でも〝区民講座〟なんて作れるかしら?」と質問されました。
私は「それはもちろん可能ですよ。」とお答えしました。するとKさんは※有松絞りの話をされたのです。有松絞りの講座を思いついたようです。実際に講座を企画するまでには至りませんでしたが、その後、何度も私の担当日(月1~2回)である相談日に合わせてお出でになるようになりました。
その後も Kさんは有松絞りの素晴らしさを私に見せたいと仰り、年一回 東京で開催される展示会(きもの展)にお誘いくださいました。有松絞りについて知識が浅かった私は興味を抱きました。
※有松(ありまつ)絞り:愛知県名古屋市の有松・鳴海地区で江戸時代から400年以上続く日本の代表的な伝統的工芸品の絞り染め。伝統工芸ですべての工程がほぼ手作業によるため非常に手間と時間を要する。
それで11月初旬、一緒に展示会に行って参りました。駅のホームで待ち合わせをしました。90歳の彼女は、杖をつき私の腕を掴んでいるものの、足取りは軽やかでした。方向音痴の私よりしっかりとされています。私はたじたじでした。
また、展示会場でもKさんは反物の目利きでした。名古屋の老舗の店主さんからもいろいろとご説明を受けましたが、彼女は有松絞りの着物をたくさんお持ちだそうで詳しいのです。
『トルコ講座』で精も根も尽き果てた私は、一転し雅な気持ちになりました。伝統工芸の世界はゆたかで素敵です。心地よい気持ちになりました。そして・・頑張った自分にご褒美をあげました。反物が仕立てあがるのは来年の1月末だそうです。楽しみです。来年はその有松絞りの着物で朗読をしようと思っているところです。
因みに、その90歳のKさんは、なんと通産省(現在の経済産業省)のキャリアウーマンだったとのこと。どうりで・・・矍鑠とされているわけです。
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