2020年4月25日土曜日

94) 傾聴フォローアップ研修 その2 二人の心理学者「マズロー」編

今回の研修では※1 アブラハム・マズロー(アメリカの心理学者。人間心理学の生みの親と言われている。『欲求5段階説』を提唱。)と※2 アルフレッド・アドラー(オーストリアの精神科医・心理学者。「個人心理学」〔日本では「アドラー心理学」と呼ばれている。〕を構築。)が紹介されました。

いずれも名前だけあげて軽く触れる程度でしたが、興味を惹かれ調べてみることにしました。

※1『マズローの欲求5段階説』とは 人間は自己実現に向かって絶えず成長する
生きものであると仮定し、人間の欲求を5段階に理論化したもの。1段階目の欲求は原始的であり満たされると、次の2段階目の欲求を満たそうとする 基本的な心理的行動を表している。上の段階にいく程 高次な欲求と言われています。

第1段階:生理的欲求(食欲・排泄欲・睡眠欲など、生きていくために必要な基本的本能的な欲求。)

第2段階:安全欲求(安心・安全な暮らしへの欲求。)

第3段階:社会的欲求(友人や家庭、会社から受け入れられたい欲求。「愛情と所属の欲求」とも表現される。この欲求が満たされない状態が続くと、孤独感や社会的不安を感じやすくなり、時には鬱状態に陥るケースもある。)

第4段階:承認欲求・尊重欲求(他者から尊敬されたい、認められたいと願う 内的な心を満たしたい欲求。この欲求が妨害されると、劣等感や無力感などの感情が生じる。)

第5段階:自己実現欲求(自分の世界観・人生観に基づいて「あるべき自分」になりたいと願う欲求。潜在的な自分の可能性の探求、自己啓発行動、創造性の発揮などを含み 自己実現の欲求に突き動かされている状態。)

※補足:自己超越(晩年 マズローは5段階の欲求階層の上に「自己超越」の段階があると発表した。自己超越とは "目的の遂行・達成のみをピュアに求める" という領域を指し、見返りを求めず自我を忘れ ただ目的のみに没頭するさま。)

具体的な例としては、
①日々の食事やトイレ介助等は第1段階の生理的欲求を満たす。
②一つひとつの介助で声掛けをし丁寧な介助を行うことや笑顔で接し、怖い思いをさせないこと等は第2段階の安全欲求を満たす。
③皆で談笑できるような環境作りや気心の知れた人間関係は第3段階の社会的欲求を満たす。
④ゆっくり傾聴する。名前を呼ぶ。目を合わせて挨拶をする。お手伝いをして貰いお礼を言う等は第4段階の承認欲求を満たす。
⑤趣味活動を行う。行きたいところに外出する等は第5段階の自己実現欲求を満たす。

老人介護においては 彼らの加齢による喪失体験や置かれている状況などを加味しつつ、これらの欲求を理解して対応することを求められます。
ゆえに 介護に携わる人は その高齢者がどの欲求段階にあたるのか、どの部分に注力するべきなのかを考えるきっかけにしているそうでした。

この『マズローの欲求5段階説』はお年寄りの心理や欲求を理解し、ケアにあたる為の知識として、介護福祉士国家試験にも出題されるとのことです。

          (2020年 2月11日(火) 13:30~16:30)

「西大山駅」

「日本最南端の駅 黄色ポスト」


2020年4月15日水曜日

93) 傾聴フォローアップ研修 その1「ユマニチュード」

傾聴の会 ぞうの耳の「 傾聴フォローアップ研修」に参加してきました。
今回のテーマは「居心地よい時間を共有するための傾聴~認知症の人に寄り添う~」です。

先ずは「高齢者の気持ちを考える」という項目でのワークショップでした。
言うまでもなく、これは我々傾聴ボランティアが日頃 一番心に留めていることです。そして私の傾聴スタンス「高齢者に対し敬意を払ってお話を伺う」という まさに「敬聴」そのものでした。われわれ参加者で傾聴の留意点を述べ合いました。

その後は、傾聴の基本姿勢である「*1受容」「*2共感」「*3自己一致」等の再確認でした。
*1受容:相手の話をそのまま否定も肯定もせず、また善悪や好き嫌い等の評価を加えずに関心を持って聴く姿勢。(話し手は安心して話ができる。)

*2共感:価値観の異なる相手との話を 相手の気持ちや立場にたち 理解に努める姿勢。    
*3自己一致:聴き手自身が心理的に安定し ありのままの自分を受け入れ、率直な気持ちと態度で相手と向き合う。そして相手に対しても自分に対しても真摯な態度で聴くこと。

そして、メインは認知症ケアの手法「ユマニチュード」についてでした。
でも・・、これは私が既にこのブログ32)の番外編「ユマニチュード」で記載しております。研修では民放番組を録画したビデオを参加者全員で見ました。

実は私、2014年05/10放送のTBS 報道特集「ユマニチュードで認知症と向き合う」と2017年04/26放送のNHK Eテレ「ハートネットTV“やさしさ”の技術が地域を変える? ―認知症ケア・ユマニチュードの導入目指す福岡市の試み―」の二番組を既に見ておりました。ビデオも持っております。

【このブログ32)「ユマニチュード」から抜粋】
基本は「見る」「話す」「触れる」「立つ」というコミュニケーション 4つを柱とし150を超える技術から成る。日本には2011年から導入されている。具体的には4つの手法を組み合わせて行う。

「見る」
ユマニチュードで特に大事とされているのが「見る」こと。認知症になると
視野が狭くなるため、先ずは相手の視界内に入り 存在を認識してもらうことが
大切。正面(20cmほどの近距離)から相手と同じ高さの目線で、親しみをこ
めた視線を送る。そうすると言葉で説明するよりも早く確実に「私はあなたの味方です」「あなたを大切に思っています」という事が伝えられる。
「話しかける」
ユマニチュードでは 例え反応が返ってこない方(3秒~3分間位は待つ)に対しても積極的にポジティブな言葉で優しくゆっくり聞き取りやすい声で話かける。
「触れる」
ユマニチュードでは 人間関係を親密にさせるボディタッチを推奨している。相手の背中や手を優しく包み込むように手の平を使い 声をかけながらそっと触れる。
「立つ」
自分の足で立つことにより 人間の尊厳を自覚する。立つことは筋力の維持 向上や骨粗鬆症の防止にもなり、身体機能を保つ効果がある。また他人と同じ空間にいることを認識することで「自分は人間なのだ」という実感にもつながる。

そして ユマニチュードケアで「やってはいけない行動」は以下の3点。
・腕などを突然「つかむ」
・視界に入りにくい「横」や「後ろ」から声をかける
・無理やりに立たせようとする

ユマニチュードの効果は
認知症の方を「病人」ではなく、あくまで「人間」として接することで、認知症の方と介護者間に信頼関係が芽生え 周辺の行動が改善すること。

いずれにしても テクニックではなく、相手に寄り添い 心地良い関係の中でリスペクトを忘れずに敬意を払ってお話を聴くことだと私は思います。

今回 ユマニチュードの再認識はそれなりの意味はありましたが、それよりも 傾聴メンバーが現場で どのような新しい発見をされたのか、“気づき” はあったのか等を私は話し合いたかったです。

                      (2020年 2月11日(火) 13:30~16:30)


「菜の花」

「熊本県宇城市 三角東港」



2020年3月25日水曜日

92) 敬聴の達人 T大学学長の教え

K介護付き有料老人ホームに入居されているカツコさん(85才 女性)のお話です。

大会社の会長夫人であるカツコさんはいつも大きな本物のジュエリーを身につけていらっしゃいます。また大変にオシャレな方で、宝石類のアクセサリーの他、ファッション全般にご興味がお有りになるようでした。それゆえに 敬聴に伺う際 私がつけているアクセサリーや洋服などにも関心をお寄せになります。

一度 私が誕生石であるパールのネックレスを着けて伺った際は「それは ‘ミキモト’ ?」と尋ねられ 戸惑った記憶があります。「いえいえ、普段使いですので ‘ミキモト’ ではありません。」とお答えしましたが・・。また 別の日には、私の小さなダイヤの指輪や馬のペンダントをご覧になり「それ、見せて!」とお願いされたこともあります。

そして私が少々 都会的(シック)な装いで伺った時は「その服はどこのブランド?」と訊かれました。等々。そのオシャレなカツコさんは、ネイルも銀座のサロンに行きネイリストさんに塗って頂いているそうです。「あなたは何処のサロンにいらしているの?」と真顔で訊かれたこともありました。

嫌味なのではなく カツコさんの ‘ご興味のあらわれ’ と思って私は聴いてます。

或る日、この話を友人にすると「あらっ、(敬聴のために)老人ホームに行く時も、そんな風にオシャレをして行かなければならないの?」と逆に質問されました。(私がジュエリーをつけるのは もちろんオシャレのためでもありますが、一種の魔よけです。美輪明宏さんの影響ですが。)

ただ、ファッションに興味を持たれているカツコさんに対し、お話のきっかけ・糸口としてアクセサリー等も良いかなと私は思っております。

この時、今は亡き北陸の国立大学の学長だったT先生を思い出しました。(このブログの49)参照。)先生はそのIQ値がご出身の旧帝国大学で 未だ破られていない程のスーパーブレインの持ち主でした。でも・・、見た限りでは普通の庶民的で気さくなお爺さんでした。そして学長退職後には同県の介護老人保健施設(老健)の施設長になられました。

ある学会でお目にかかり お茶をご一緒した折にこんなお話を聴かせて下さいました。私が10年余り両親を介護していたと告げた時のことです。
当時 現役の老健施設長だったT先生は、真面目なお顔で『オレはなぁ、施設長として一つだけ守っていることがあるんだ。・・。』 と切り出されました。

『オレなんか大したことは出来ないけど、毎月一日だけ 一人5分間だけど、全ての入所者さんとの面談の時間を設けているんだ・・。相手が痴呆であろうと話など出来ない(病気で喋れない)人だろうと、5分間は ‘その人だけとの対面の時間’ にしているんだ。』といつもの気どらない 温かい物言いで仰いました。

その施設は当時 認知症の方40名を含めた総勢100名の方が入所されていました。一人5分間なら具合の悪い方を除き半数位だとしても、4~5時間はかかります。まさに一日仕事です。凄いです。

ある痴呆の女性は、5分間何も喋らずに ただ毎回 先生のネクタイばかりを見つめているそうです。ネクタイにどんな思いがあったのでしょうか。彼女のために 普段は決して ‘オシャレ’ とは言い難い先生は、毎回 ネクタイを替えていると仰いました。(因みに その ‘オシャレなネクタイ’ はパリ在住の姪御さんが、毎年 先生のお誕生祝いにプレゼントして下さったものだそうです。)

・・・その方に合った敬聴、寄り添い方が大切だと私は思いました。

T先生のような ‘ 情け深い’ 施設長にめぐり遇えた入所者さん達は、さぞかし幸せだろうと 私は心から羨ましく思いました。また同時に T先生こそ「敬聴の達人」だと気づきました。今回、その教えをあらためて・・嚙み締めました。

                      ( 2020年1月14日(火) 16:00~17:00)


photo: (c) Hiro K
http://ganref.jp/m/md319759/portfolios


2020年3月15日日曜日

91) 傾聴ボランティアと朗読ボランティアの違い?

今日は朗読ボランティア デビューの日です。

緊張感を抱き 念入りにボランティアの先輩方と打ち合わせをして、市ヶ谷にある介護付き有料老人ホームMに向かいました。

そこは病院に併設されている施設でした。同じ介護付き有料老人ホームとは言え、常日ごろ傾聴ボランティアで伺っている文京区の施設とはだいぶ雰囲気が異なりました。

レクレーションルームのような所に通されると、既に8名の入居者たちが 我々の到着をお待ちになっていらっしゃいました。70~80代の女性ばかりで、中には車イスの方もお二人ほどお出ででした。

その中のお一人が「待ってました!」と大声で仰いました。(待ってました?)私はビックリしました。何故なら 内心『(それほど)楽しみに我々の ‘朗読’ を待っていらっしゃる方はお出でにならないだろう。介護士さんに勧められ義理(?)で集まっていらっしゃるのだろう。』と思っていたからです。私の思い込みでした。(反省です。)

そして、この実績を作られた先輩方は凄い!と思いました。・・と同時に 身の引き締まる思いがしました。

軽く皆さまにご挨拶した後、先輩リーダーから新人である私のご紹介があり、トップバッターとして朗読をさせて頂きました。
まだレパートリーの少ない私は、昨年暮れの「第12回 朗読アラカルト」で選んだ『花さき山』を読ませて頂きました。

皆さま 熱心に耳を傾けてくださり、時には頷いて聴いて下さいました。その中のお一人からは「良かったわ。素敵だったわよ!」と労われました。

前回の大きな舞台とは違って、直接 聴いて下さる方々のお顔が見え、反応がわかるのは有難く勉強になりました。読み手側のこころも解放されます。

その後は先輩たちの朗読が続き、また ‘今回の試み’ の一つとして、先輩と二人で掛け合いの朗読も致しました。これは日本テレビの『笑点』(毎週日曜の夕方放送)で大喜利コーナーにて出されたお題『18才と81才の違い』の朗読でした。

たとえば「道路を暴走するのが18才、逆走するのが81才」「偏差値が気になるのが18才、血糖値が気になるのが81才」「恋に溺れるのが18才、風呂で溺れるのが81才」など等。これはとても好評で、皆さまから笑いが起こりました!

そして最後は、みんなで一緒に唱歌「一月一日」を歌いました。皆さま 嬉しそうに 一所懸命に声を出され お歌いになっていらっしゃいました。93才の「私は目と耳が不自由だから 歌の文句など読めない!」と仰っていた女性も・・・です。とても懐かしそうでした!

朗読ボランティアの終了後には、皆さまから「ありがとう。楽しかったわ。また来てね!」とお礼を言われました。私も嬉しかったです。敬聴とは違う喜びと達成感がありました。

『傾聴ボランティアと朗読ボランティアの違いは何だろう?』

どちらも相手の方に喜んで頂ける。そして両方とも主役は相手(他者)。敬聴の時は話し手であるお年寄り。朗読なら聴いて下さるお年寄りたち。

違いは(我々の側からすれば)、「敬聴」は受け身であり、「朗読」は自ら発信の自発。でも それだけの違いでしょうか・・・。それとも違いなど ないのでしょうか。また一つ 課題が増えました。

       ( 2020年1月28日(火) 14:10~15:00)







2020年2月25日火曜日

90)ゆしまの郷 クリスマス会 『わたしは住み込み入所よ! 』

この日は「ゆしまの郷 クリスマス会」とのことで、午前と午後の二部に分けて催し物があったようです。

6階に着くと、キクさん(101才 女性)をお見かけしたので「今日はクリスマス会だったそうですね! サンタクロースにはお会いになりましたか?」とお尋ねすると、「えっ、クリスマス会だったの? あらっ、全然 知らなかったわ。」と戸惑うキクさん。既にお忘れになっていらっしゃいました。(余計なことを訊いてしまいました。)

そこで 私はキクさんの隣のイスに腰を掛け「あそこの壁に貼ってある メニューによると 今日のお昼はクリスマスバージョンの ‘もみの木ハンバーグ’ とピラフのようでしたよ。美味しかったですか。」とやさしく言ってみると、キクさんは目を丸くされました。

(この話もダメだったかな。) でも・・、キクさんの目の前には、先ほど配られた‘クリスマスプレゼント’の靴下がありました。

話題を変えるべく目を遣ると、キクさんは膝に 施設からのプレゼントである ‘100才祝いのネーム入りひざ掛け’ をかけていらしたので、
「キクさん、女性にお年をお尋ねするのはたいへん失礼ですが、おいくつになられましたか?」とお訊きすると、即座に「50才!」とお答えになりました。

すると、最近入居されたというアサコさん(91才 女性)が透かさず、
「そんなわけないじゃないの。」と横槍を入れました。

「あら、そうだったかしら? 幾つかしら・・、わたしは。」そして「頭がバカになっちゃったわ。分からない。」とションボリ下を向くキクさん。(またしても悪いことを伺ってしまいました。)

私が「今年たしか101才になられましたよ。」とやんわりお伝えすると、
「えっ、そんなに?」と仰いました。
慌てて私が「でも、皆さま、そんなにお年は変わりませんよ。」と執り成すと、

「えっ、あなたも?」と言われました。
「まだ、100才にはなっておりませんけれどね。」と冗談でかえすと、
「そうでしょう、だって、まだ お若いもの!」と笑いながら仰いました。
少しはご気分も良くなられたようで、晴れやかなお顔になりました。(良かったです!)

このゆしまの郷も随分とメンバーが変わりました・・・。仕方ないですかね

敬聴を終える前に 私はあらためて (先程 キクさんとの会話に口をはさんだ) 新入居のアサコさんに 自己紹介を兼ねてご挨拶をいたしました。
すると、アサコさんは「私はね、住み込みでここに来たのよ!」と胸を張って仰いました。

        ( 2019年12月21日(土) 14:00~15:00)






2020年2月15日土曜日

89)老人ホームで家族そろってお正月?

どなたのお話が聴けるのかワクワクしながら施設に向かいました。
ここは都内でも屈指の超豪華なK介護付き有料老人ホームです。

この施設にはファミリー向けのゲストルームが用意されており、希望すれば
(もちろん有料のオプションだそうですが)ご家族と一緒にお正月を迎えることができるそうです。もちろんお正月の特別料理にて。凄いですね。

さて、今回の敬聴も‘ご自身のお部屋は3階にある’と言う お喋りなサトさん(82才 女性)の独断場でした。一通りご自分の苦労話を終えると、今度は4階の方々のお名前のほか 年齢や出身地、また家族構成やバックボーンまで教えて(?)下さいました。(個人情報の極みでした。)

そして側にいらした カツコさん(85才 女性)に「あなたはいくつ(何歳)だったっけ?」等とラフに訊き始めました。すると・・、普段おとなしくて物静かなカツコさんは、サトさんを窘(たしな)め始めました。「自分の年を言わずに、他人に年を尋ねるのはルール違反よ。」と。

そして・・、私に向かって頭(かぶり)を振りながら「いろんな人がいるのね。」と小声で仰いました。

(大きな会社の会長夫人である)カツコさんは「(生きていて)辛いことが全く無かった人など いないわけで、それをわざわざ人様に言うのはいただけない!」と毅然として仰いました。

一方、お隣に座っていらした‘元本郷小町’のトキさん(83才 女性)は、私を見てにこにこと微笑んで下さいました。

見渡してみると、先日お話を伺ったサチさん(84才 女性)のお姿がみえません。すると・・、察したかのように サトさんが「サチさんは いま 入院中よ。」と教えてくれました。何でもご存知です、サトさんは。それにしても、サチさんが心配です。

また、J大学病院に通院するため入居されたという コウタロウさん(78才 男性)のお顔も見えません。介護士さんにお尋ねすると、コウタロウさんは 最近ご病気になり、都内の病院ではご家族の看病が難しいので、施設を退去し地元の病院に移られたとのことでした・・・。

少しづつ・・ですが、入居者さんが変わっていくのには寂しいものがあります。感傷にふけっていると、3階のご自分のお部屋に戻る カツコさんから握手を求められました。

K有料老人ホームでの敬聴を終えて帰宅すると、ゆしまの郷のカズさん(106才 女性)の姪御さん Tさんからお電話を頂きました。ビックリしました。ちょうど、カズさんを思い出していたからです。

Tさんは12月2日に開催され私が初出演した「第12回 朗読アラカルト」にも、お足元の悪いなか お越し下さいました。その時のご感想やいろいろなお話をされた後、

「伯母がいつも元気なのはあなたのせいね! ありがとう。」「あなたが(伯母の)話を聴いて下さるから、長生きしているのね。感謝しています。」とのお言葉を下さいました。

「いいえ、私の方こそ カズさんに出会えて有難かったです。感謝しています。」とお応えしました。カズさんとの邂逅は 私にとり とても意味のある“出来事”でした!

        ( 2019年12月11日(水) 16:00~17:00 )


帝釈天騎象像   東寺


2020年1月25日土曜日

88)しっかり者のサトさん

今日はどなたのお話を伺えるのかワクワクしながらK有料老人ホームに向かいました。

「4階でお願いします。」と事務の方に言われ、エレベータを降りると、ひとり大きな声で話されている方がいらっしゃいました。初めて拝見するお顔です。サトさん(82才 女性)と言う方でした。ご自分のお部屋は3階にあるとのことですが。

サトさん曰く 「ボケないために、こうして4階に来て話をしているの。」
でも・・、ソファに座っていらっしゃる方々は、ただ話を聞いているだけで誰も口を開こうとせず、サトさんだけが喋っている状態でした。一方通行です。(ボケないように・・ね?)

サトさんは「K施設の開設と同時に入居の申し込みをし、全財産を投げ打って購入した!」そうです。曰く「一番 日当たりの良い角部屋を選んだ!」とのこと。

しかし直ぐには入居せず ご自身のお墓を準備したり、文京区にある ご自宅の整理、また愛犬の飼い主を探すなどをしてから、最近 この施設に入られたとのことでした。用意周到な方です。

また、お元気なので入居後もお一人で後楽園のラクーアや巣鴨のお地蔵さん、そして施設近くの公園等にもお出かけになるそうです。なんと初詣には浅草寺にまで参られるとのことでした。

いろいろとこの施設のことを教えて(?)下さいました。
区内の某国立女子大の名誉教授(96才 男性)も入居されていると教えてくれました。個人情報だとは思いますが、その教授ご自身が公言されているので、問題はないそうです。(介護士さん談。)

「偉いのに気さくな先生でね、今度、先生にサインを貰う約束をしてあるんだよ。」とラフに仰いました。「だからね、この間 先生の本を2~3冊買ってきたんだ。」と自慢げに付け加えになりました。

「でもね・・、難しくって! 本を読んでからサインを貰おうと思ったんだけど、読めないんだよ。」と今度は 少々 テンションを下げて仰いました。(律儀な方です。)

「(あなた)知ってる? ○○先生。」と尋ねられましたので、私は「2~3冊ですけれど、読んだことがあります。」とお答えすると、
「偉いね、凄いね!あなた。」と褒められてしまいました(?)

「ここ(この施設)に来たのは初めて?」ときかれましたので、「6回目です。」とお返事すると、また「偉いねぇ。」と褒めて下さいました。

あっと言う間の一時間でした。そしてサトさんの独り舞台でした!

        ( 2019年11月26日(火) 16:00~17:00 )


指宿 開聞十町

枚聞神社 神馬