緊張感を抱き 念入りにボランティアの先輩方と打ち合わせをして、市ヶ谷にある介護付き有料老人ホームMに向かいました。
そこは病院に併設されている施設でした。同じ介護付き有料老人ホームとは言え、常日ごろ傾聴ボランティアで伺っている文京区の施設とはだいぶ雰囲気が異なりました。
レクレーションルームのような所に通されると、既に8名の入居者たちが 我々の到着をお待ちになっていらっしゃいました。70~80代の女性ばかりで、中には車イスの方もお二人ほどお出ででした。
その中のお一人が「待ってました!」と大声で仰いました。(待ってました?)私はビックリしました。何故なら 内心『(それほど)楽しみに我々の ‘朗読’ を待っていらっしゃる方はお出でにならないだろう。介護士さんに勧められ義理(?)で集まっていらっしゃるのだろう。』と思っていたからです。私の思い込みでした。(反省です。)
そして、この実績を作られた先輩方は凄い!と思いました。・・と同時に 身の引き締まる思いがしました。
軽く皆さまにご挨拶した後、先輩リーダーから新人である私のご紹介があり、トップバッターとして朗読をさせて頂きました。
まだレパートリーの少ない私は、昨年暮れの「第12回 朗読アラカルト」で選んだ『花さき山』を読ませて頂きました。
皆さま 熱心に耳を傾けてくださり、時には頷いて聴いて下さいました。その中のお一人からは「良かったわ。素敵だったわよ!」と労われました。
前回の大きな舞台とは違って、直接 聴いて下さる方々のお顔が見え、反応がわかるのは有難く勉強になりました。読み手側のこころも解放されます。
その後は先輩たちの朗読が続き、また ‘今回の試み’ の一つとして、先輩と二人で掛け合いの朗読も致しました。これは日本テレビの『笑点』(毎週日曜の夕方放送)で大喜利コーナーにて出されたお題『18才と81才の違い』の朗読でした。
たとえば「道路を暴走するのが18才、逆走するのが81才」「偏差値が気になるのが18才、血糖値が気になるのが81才」「恋に溺れるのが18才、風呂で溺れるのが81才」など等。これはとても好評で、皆さまから笑いが起こりました!
そして最後は、みんなで一緒に唱歌「一月一日」を歌いました。皆さま 嬉しそうに 一所懸命に声を出され お歌いになっていらっしゃいました。93才の「私は目と耳が不自由だから 歌の文句など読めない!」と仰っていた女性も・・・です。とても懐かしそうでした!
朗読ボランティアの終了後には、皆さまから「ありがとう。楽しかったわ。また来てね!」とお礼を言われました。私も嬉しかったです。敬聴とは違う喜びと達成感がありました。
『傾聴ボランティアと朗読ボランティアの違いは何だろう?』
どちらも相手の方に喜んで頂ける。そして両方とも主役は相手(他者)。敬聴の時は話し手であるお年寄り。朗読なら聴いて下さるお年寄りたち。
違いは(我々の側からすれば)、「敬聴」は受け身であり、「朗読」は自ら発信の自発。でも それだけの違いでしょうか・・・。それとも違いなど ないのでしょうか。また一つ 課題が増えました。
( 2020年1月28日(火) 14:10~15:00)