2020年4月15日水曜日

93) 傾聴フォローアップ研修 その1「ユマニチュード」

傾聴の会 ぞうの耳の「 傾聴フォローアップ研修」に参加してきました。
今回のテーマは「居心地よい時間を共有するための傾聴~認知症の人に寄り添う~」です。

先ずは「高齢者の気持ちを考える」という項目でのワークショップでした。
言うまでもなく、これは我々傾聴ボランティアが日頃 一番心に留めていることです。そして私の傾聴スタンス「高齢者に対し敬意を払ってお話を伺う」という まさに「敬聴」そのものでした。われわれ参加者で傾聴の留意点を述べ合いました。

その後は、傾聴の基本姿勢である「*1受容」「*2共感」「*3自己一致」等の再確認でした。
*1受容:相手の話をそのまま否定も肯定もせず、また善悪や好き嫌い等の評価を加えずに関心を持って聴く姿勢。(話し手は安心して話ができる。)

*2共感:価値観の異なる相手との話を 相手の気持ちや立場にたち 理解に努める姿勢。    
*3自己一致:聴き手自身が心理的に安定し ありのままの自分を受け入れ、率直な気持ちと態度で相手と向き合う。そして相手に対しても自分に対しても真摯な態度で聴くこと。

そして、メインは認知症ケアの手法「ユマニチュード」についてでした。
でも・・、これは私が既にこのブログ32)の番外編「ユマニチュード」で記載しております。研修では民放番組を録画したビデオを参加者全員で見ました。

実は私、2014年05/10放送のTBS 報道特集「ユマニチュードで認知症と向き合う」と2017年04/26放送のNHK Eテレ「ハートネットTV“やさしさ”の技術が地域を変える? ―認知症ケア・ユマニチュードの導入目指す福岡市の試み―」の二番組を既に見ておりました。ビデオも持っております。

【このブログ32)「ユマニチュード」から抜粋】
基本は「見る」「話す」「触れる」「立つ」というコミュニケーション 4つを柱とし150を超える技術から成る。日本には2011年から導入されている。具体的には4つの手法を組み合わせて行う。

「見る」
ユマニチュードで特に大事とされているのが「見る」こと。認知症になると
視野が狭くなるため、先ずは相手の視界内に入り 存在を認識してもらうことが
大切。正面(20cmほどの近距離)から相手と同じ高さの目線で、親しみをこ
めた視線を送る。そうすると言葉で説明するよりも早く確実に「私はあなたの味方です」「あなたを大切に思っています」という事が伝えられる。
「話しかける」
ユマニチュードでは 例え反応が返ってこない方(3秒~3分間位は待つ)に対しても積極的にポジティブな言葉で優しくゆっくり聞き取りやすい声で話かける。
「触れる」
ユマニチュードでは 人間関係を親密にさせるボディタッチを推奨している。相手の背中や手を優しく包み込むように手の平を使い 声をかけながらそっと触れる。
「立つ」
自分の足で立つことにより 人間の尊厳を自覚する。立つことは筋力の維持 向上や骨粗鬆症の防止にもなり、身体機能を保つ効果がある。また他人と同じ空間にいることを認識することで「自分は人間なのだ」という実感にもつながる。

そして ユマニチュードケアで「やってはいけない行動」は以下の3点。
・腕などを突然「つかむ」
・視界に入りにくい「横」や「後ろ」から声をかける
・無理やりに立たせようとする

ユマニチュードの効果は
認知症の方を「病人」ではなく、あくまで「人間」として接することで、認知症の方と介護者間に信頼関係が芽生え 周辺の行動が改善すること。

いずれにしても テクニックではなく、相手に寄り添い 心地良い関係の中でリスペクトを忘れずに敬意を払ってお話を聴くことだと私は思います。

今回 ユマニチュードの再認識はそれなりの意味はありましたが、それよりも 傾聴メンバーが現場で どのような新しい発見をされたのか、“気づき” はあったのか等を私は話し合いたかったです。

                      (2020年 2月11日(火) 13:30~16:30)


「菜の花」

「熊本県宇城市 三角東港」