2020年1月25日土曜日

88)しっかり者のサトさん

今日はどなたのお話を伺えるのかワクワクしながらK有料老人ホームに向かいました。

「4階でお願いします。」と事務の方に言われ、エレベータを降りると、ひとり大きな声で話されている方がいらっしゃいました。初めて拝見するお顔です。サトさん(82才 女性)と言う方でした。ご自分のお部屋は3階にあるとのことですが。

サトさん曰く 「ボケないために、こうして4階に来て話をしているの。」
でも・・、ソファに座っていらっしゃる方々は、ただ話を聞いているだけで誰も口を開こうとせず、サトさんだけが喋っている状態でした。一方通行です。(ボケないように・・ね?)

サトさんは「K施設の開設と同時に入居の申し込みをし、全財産を投げ打って購入した!」そうです。曰く「一番 日当たりの良い角部屋を選んだ!」とのこと。

しかし直ぐには入居せず ご自身のお墓を準備したり、文京区にある ご自宅の整理、また愛犬の飼い主を探すなどをしてから、最近 この施設に入られたとのことでした。用意周到な方です。

また、お元気なので入居後もお一人で後楽園のラクーアや巣鴨のお地蔵さん、そして施設近くの公園等にもお出かけになるそうです。なんと初詣には浅草寺にまで参られるとのことでした。

いろいろとこの施設のことを教えて(?)下さいました。
区内の某国立女子大の名誉教授(96才 男性)も入居されていると教えてくれました。個人情報だとは思いますが、その教授ご自身が公言されているので、問題はないそうです。(介護士さん談。)

「偉いのに気さくな先生でね、今度、先生にサインを貰う約束をしてあるんだよ。」とラフに仰いました。「だからね、この間 先生の本を2~3冊買ってきたんだ。」と自慢げに付け加えになりました。

「でもね・・、難しくって! 本を読んでからサインを貰おうと思ったんだけど、読めないんだよ。」と今度は 少々 テンションを下げて仰いました。(律儀な方です。)

「(あなた)知ってる? ○○先生。」と尋ねられましたので、私は「2~3冊ですけれど、読んだことがあります。」とお答えすると、
「偉いね、凄いね!あなた。」と褒められてしまいました(?)

「ここ(この施設)に来たのは初めて?」ときかれましたので、「6回目です。」とお返事すると、また「偉いねぇ。」と褒めて下さいました。

あっと言う間の一時間でした。そしてサトさんの独り舞台でした!

        ( 2019年11月26日(火) 16:00~17:00 )


指宿 開聞十町

枚聞神社 神馬