6階に着くと、キクさん(101才 女性)をお見かけしたので「今日はクリスマス会だったそうですね! サンタクロースにはお会いになりましたか?」とお尋ねすると、「えっ、クリスマス会だったの? あらっ、全然 知らなかったわ。」と戸惑うキクさん。既にお忘れになっていらっしゃいました。(余計なことを訊いてしまいました。)
そこで 私はキクさんの隣のイスに腰を掛け「あそこの壁に貼ってある メニューによると 今日のお昼はクリスマスバージョンの ‘もみの木ハンバーグ’ とピラフのようでしたよ。美味しかったですか。」とやさしく言ってみると、キクさんは目を丸くされました。
(この話もダメだったかな。) でも・・、キクさんの目の前には、先ほど配られた‘クリスマスプレゼント’の靴下がありました。
話題を変えるべく目を遣ると、キクさんは膝に 施設からのプレゼントである ‘100才祝いのネーム入りひざ掛け’ をかけていらしたので、
「キクさん、女性にお年をお尋ねするのはたいへん失礼ですが、おいくつになられましたか?」とお訊きすると、即座に「50才!」とお答えになりました。
すると、最近入居されたというアサコさん(91才 女性)が透かさず、
「そんなわけないじゃないの。」と横槍を入れました。
「あら、そうだったかしら? 幾つかしら・・、わたしは。」そして「頭がバカになっちゃったわ。分からない。」とションボリ下を向くキクさん。(またしても悪いことを伺ってしまいました。)
私が「今年たしか101才になられましたよ。」とやんわりお伝えすると、
「えっ、そんなに?」と仰いました。
慌てて私が「でも、皆さま、そんなにお年は変わりませんよ。」と執り成すと、
「えっ、あなたも?」と言われました。
「まだ、100才にはなっておりませんけれどね。」と冗談でかえすと、
「そうでしょう、だって、まだ お若いもの!」と笑いながら仰いました。
少しはご気分も良くなられたようで、晴れやかなお顔になりました。(良かったです!)
このゆしまの郷も随分とメンバーが変わりました・・・。仕方ないですかね。
敬聴を終える前に 私はあらためて (先程 キクさんとの会話に口をはさんだ) 新入居のアサコさんに 自己紹介を兼ねてご挨拶をいたしました。
すると、アサコさんは「私はね、住み込みでここに来たのよ!」と胸を張って仰いました。
( 2019年12月21日(土) 14:00~15:00)