2017年8月5日土曜日

25) やっぱり「男前」が好き?

敬聴の定刻時間、14時に6Fフロアーに着くと、壁に貼られたキクさん(97才女性)のお習字が目に飛び込んできました。お題はなんと!「男前」でした。
 
キクさんに『(キクさんは)やはり男前の方がお好きですか?』と尋ねると、顔をしかめて、『顔なんて付いていればそれで十分よ! なまじ男前だと浮気されそうで嫌だわ。』とのお返事でした。なるほど!
 
一方この日は、顔なじみになった介護士のFさんより、職場の愚痴や悩みを打ち明けられました。
 
Fさんは『介護の仕事はきれい事では済まされないの。たとえばご家族が施設を訪れた時に、たまたま介護職員が一人で大勢に応対していて、つい大声を出し注意をしていると、それを聞いた家族の方が‘暴言’と誤解してしまうこともあるのよ。そんな苦情を若い介護職員が真に受けたり、時に、入所者自身やその家族が実情を理解せずに文句を言ったりするので、辞めていく者が多いのよね。給与は安いし・・・。』など等と。
(もちろん私は言葉もありませんでした。)
 
一方、マリコさん(78才女性)は、まだ私のことを『草月の先生!』と呼びます。『こんな所に草月流の先生に来て頂いてもったいない!』と。

その度に私は気恥ずかしい思いがします。
 
帰りがけ、私が皆さんに別れのご挨拶に手を振ると、二人のおばあちゃんからニコニコされました。
(介護士さんが言う)普段は口の悪いマツさん(90才女性)からも 『ご苦労さま!』 等と労われました。嬉しくなりました!
 
でも、みんなと親しくなり、何となく‘慣れ’も出始めてきたようにも感じました。
原点にかえり、「こころを傾けて、その方の思いを受けとめねば!」と、私はあらためて心に誓いました。
 
(実施日:2016年11月23日(水) 勤労感謝の日 14:00~15:00)



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