2019年6月15日土曜日

73)ゆしまの郷 家族会(ボランティアの書道教室)その1

敬聴のため6階に到着すると、書道ボランティアの方々が大勢いらっしゃっていました。そして・・お馴染みのお年寄り達にお習字の手解き(てほどき)をしておられました。

私も拝見させて頂くと・・、「お上手でした!」  皆さま とてもお上手でした!

先ず 姿勢が良いのです。素晴らしい! 普段とは違って背筋が伸び‘しゃん’としてました。不思議です。書道の基本が身についておられるのでしょうか。


筆の持ち方も綺麗でした。筆を立ててお書きになっていらっしゃいます。肩に余分な力など入っていませんでした。自然体です。そして利き手でない方の左手で半紙の左下を押さえておられました。(ご立派です!)


先生からそれぞれ「とてもお上手です。」とか「良く書けてますね。」等と 朱墨の文字で書かれ、皆さまとても嬉しそうでした。お顔がほころび、心なしか自信に満ちてお出ででした。人間には「自信」や「誇り」が大切! 必要不可欠なのですね。


一方、元教師のサトシさん(72才 男性)ですが、まだ一筆もお書きになっていません。何だかんだ仰りながら、書けないのです。その一筆が出ないのです。


教師という ご職業柄か、あるいはその律儀なご性格からなのか、字配り(字の配置)ばかり気にされているようでした。逡巡しておられました。傍で見ている私には歯がゆくて、またお可哀そうに映りました。


そうこうする内に、書道教室の終了時間がきたようで、各テーブルではお片づけが始まってました。


サトシさんはポカンとしておられます。ただただ 書道の先生のお書きになったお手本ばかりを眺めておられました。彼にとって「書道教室」はまだ終わっていないのです。
一人だけ 取り残されてしまいました・・・。

私は意を決し、サトシさんと目線が合うようお隣にしゃがみました。やさしく 「一緒に書きましょう!」 と申し出ました。

ゆっくり お顔を私に向けるサトシさん・・・。

( 2019年 4月27日(土)14:00~16:00 )


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