2023年2月25日土曜日

162) 【徒然に】まっぴらごめん?

久しぶりにMさん(このブログ 75) 76) 131) をご参照)と電話でお話をしました。彼女は現在83歳だそうですが、たいへんな読書家で好学の士でもあります。

今回はお母さまのお話が大半でした。お母さまは亡くなったご主人(Mさんのお父様)の後を継ぎ、中堅会社の社長をなさっていたそうです。

決断力に優れ、美しく豪快な女性だったようで『(そんなことは) まっぴらごめんよ!』とか『(これでは) 気が済まないわ。』等とよく仰っていたそうです。江戸っ子のようです。Mさん曰く「母の仕事に対する『気が済まない。』は、とことんまで追求する プロフェッショナルとしてのプライド」とのこと。納得です!

ただ、『気が済まない』と言うフレーズは「もう死語ですね。」と寂しそうに仰いました。今や気が済むまで仕事に打ち込む人は「頑固一徹な職人」さんくらいでしょうか。残念ですが。でも私はそんな職人さんが大好きです。

また、お母さまはお医者さまに健診結果などをきく際『結果は上等ですか』と尋ねていたそうです。このような「上等」という言葉使いは、懐かしいですが もう殆ど使われていませんね。素敵な言い回しだと私は思うのですが。

さらに、昔は子供を叱る時『(そんな事をしては)いけません。』だったのが最近は『(そんな事しちゃ)・・ダメ!』と断定する言い方になったと嘆いておられました。確かに『・・・ダメ!』はきつい言葉ですよね。

最近は『一文字足りないのですよ。』「例えば『そうです。』ではなくて、『そうです。』とか『そうですよね。』と言えば、優しい物言いなのにね。」とも仰いました。忘れかけていた大事なことを思い起こさせて下さいました。因みに、そのMさんは今「歌舞伎の名セリフ」を覚えるのに夢中だそうです。


※写真は元上司の「退官記念講演」を拝聴しに大阪・京都に行った際のもの。

大阪リーガロイヤル



壬生寺




2023年2月15日水曜日

161) 【徒然に】避難訓練寄席

2月2日に文京シビック小ホールで 開催された「避難訓練寄席」に私も参加させて頂きました。安全な避難誘導を目的とする 来場者参加型の「避難訓練寄席」です。このようなイベントは今回で4回目だそうですが 私は全く知りませんでした。もっとも、ここ3年はコロナ感染症対策のため中止していたそうです。

文京シビック大ホールや小ホールで開催中の各種公演や講演などと「避難訓練」をジョイントした試みは素晴らしいと思いました。前回はクラシックの演奏会で「避難訓練」を行ったそうです。文京区の災害対策に対する熱量は有難いことに半端ないです。

今回ご出演の落語家 古今亭菊之丞師匠は ‘まくら’ の途中で鳴り響いた「大地震を知らせるサイレン」と「照明の点滅」に反応し、高座でお尻に敷いていた紫の座布団を頭に被って避難されました。笑わせながらスマートに退場されました。さすがです。

私たち観客も その場でバッグ等で頭を守り、スタッフの指示に従います。その後
館内で出火したという想定のもと、係員に避難誘導されました。シビックの避難階段を使って施設の外まで出るという設定でした。とても勉強になりました。

そして落語ですが、訓練後 私たちは小ホールに戻り、菊之丞師匠もいつもの愛嬌のある微笑みで再登場し 落語を一席されました。演目は『二番煎じ』。火事に因んだ演目でした。故古今亭志ん朝師匠をはじめ、古今亭一門の落語家さんの『二番煎じ』は洗練されていて品のある都会的な落語です。楽しく可笑しく江戸情緒をたっぷり味わえました。

昔、私が大好きな柳家小三治師匠の『二番煎じ』を聴いたことがありますが、ちょっと違います。庶民的で男っぽいものでした。小三治師匠を懐かしく思い出しました。自宅に帰り、私はYouTubeで小三治師匠の『二番煎じ』をもう一度 聴いてみました。