2020年8月25日火曜日

102)青森ねぶた祭(N先生と幹おばあちゃま)その4

津軽半島にある龍飛崎は 石川さゆりさんの『津軽海峡冬景色』でも歌われており、また 太宰治の小説『津軽』に登場するなど全国に知られている観光名所です。ガイドブックに記されていた通り、津軽海峡や北海道、下北半島などが見渡せ 雄大で素晴らしい眺望でした!

昼食の時間になると N先生は『(富山の)T先生に電話してみようか。』と悪戯っぽい笑みを浮かべて仰いました。このブログ 92) 「敬聴の達人 T大学学長の教え」のT先生へです。そのT先生は電話の向こうで『○○ちゃん(私のこと)、・・なんで そこにいるんだい?』

昼食後、龍飛埼灯台手前にある駐車場内の売店に寄りました。そこの天日干しのタコが絶品らしく、先生はお母さまに甘えて「タコ串焼き」を買っ貰っていました。

が・・、お母さまが買われた「焼きイカ」の方もおねだりしました。するとお母さまに「あなたにはタコがあるでしょ。このイカは○○さん(私のこと)と私の分よ。」と窘められました。とても微笑ましい家族風景でした。(でも 結局は分けて差し上げていましたが。)

その後 次の観光地に向かう車中でも、お二人のやり取りはこころ温まるものでした。優しいお母さまとN先生。立派な先生も一人の ‘甘えん坊息子さん’ なのですね。

次に訪れたのは、明治40(1907)年に建てられ 重要文化財建造物にも指定されている太宰治の生家・津島邸の「太宰治記念館 ‘斜陽館’ 」です。和洋折衷の入母屋造りの建物には青森ひばが使用されているとのこと。とてもとても重厚でした。 

そして・・・ドライブの終点である五所川原に向かいました。

 ここは青森の三大ねぶた祭り(「青森ねぶた祭」「弘前ねぷたまつり」そして「五所川原立佞武多(ごしょがわらたちねぷた)」)の三ヵ所目です。五所川原の立佞武多は高さが最大で20mを超える山車の壮大な運行が魅力だそうです。

名残惜しいお二人とお別れをして、私は立佞武多の館(立佞武多祭りに出陣する大型立佞武多を常時格納・観覧できる)に立ち寄りました。この佞武多祭りを実際に見たかのように、その素朴さや独特の雰囲気が感じとれました。しかし機会があれば是非観てみたくもあります。もう一度 青森に来たいなと思いました。

そして この旅の締めくくりは※不老ふ死温泉でした。絶景の大海原を眺めながら源泉に入れるのです。私は憧れの五能線に乗り、N先生ご一家の温かくて優しい余韻に浸りながら、日本海を眺め 海辺の赤褐色の露天風呂が有名な不老ふ死温泉に向かいました。ここには夕日を見るために一泊致しました。

※不老ふ死温泉は:世界自然遺産の白神山地の麓にあり、日本海に沈む夕陽を一望できる景勝地 黄金崎に建つ一軒宿。海岸と一体化したひょうたん型の露天風呂は「他では味わえない絶景と開放感が楽しめる」と全国各地から多くの温泉ファンが集まるという。目の前に広がる日本海の大海原は『日本の夕陽百景』にも選ばれた。

翌日は白神山地にも行きました。青池メインの60分散策コースをゆっくり歩きましたが、空気が美味しく青池もブナの森も静かに楽しめました。ガイドブック等で予めチェックしていた青池は、予想通り清々しくて幻想的かつ神秘的な池でした。

その後も幹おばあちゃまとは文通(手紙のやり取り)をさせて頂きました。達筆な上に 言葉遣いがとても綺麗でした。頂いたお手紙は今も私の宝物です。

その幹おばあちゃまも3年前に逝かれたそうです。幹おばあちゃまらしく、ご家族全員に感謝の言葉を残して・・。もう一度お会いしたかったです。本当にN先生とご家族の皆様にはたいへんお世話になりました。言葉では言い表せないくらい感謝しております。(ありがとうございました。)

毎年頂くN先生からの年賀状には、先生の座右の銘が書かれています。
いつでも 明るく朗らかに!と。
                                                              合掌

昇陽
photo: (c) Hiro K
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