このコロナ禍により、私のボランティア活動は4月より中断を余儀なくされております。文京区の高齢者施設では今年いっぱい敬聴活動が出来そうにありません。とても残念です。
傾聴ボランティアの会からは『地元のイベントや草花鑑賞を織り込んだ 動画を作成して各施設に配布する。』や『ビデオメッセージや紙芝居、或いはペットの動画を作成しよう。』等の提案がなされておりますが・・。
何もしないでいるよりは良いのかもしれませんが、それらの動画を操作をするのは介護士さんです。コロナ禍で、ただでさえ 仕事量が増えているのに、彼らにこれ以上の負担はかけられません。仕事を増やすことに私は賛成できません。
敬聴とは、本来 話し手(入居の高齢者)が主役です。聴き手である我々は受け身の傍役です。フォローなく動画を送りっぱなしでは本末転倒と考えます。動画を見て頂いた後の お年寄り達の反応や感想など、コミュニケーションこそが 大事だと私は思います。
新しい敬聴のあり方を考え 模索の日々が続いております。まさに袋小路状態です。
「Zoomで敬聴」という手もありますが、同様な観点から 今は踏み込めません。介護士さんの負担が増えてしまいますから。まことに悩ましいところです。
敬聴に限らずリモートでの朗読も、残念ながら 共有している空気感と言うか、その息づかいや波動が伝わりにくいと思います。新しい生活様式での敬聴がどうあるべきか、満足できる答えがまだ見つかっておりません。
このブログをご覧頂いている皆さまのお知恵を拝借したく 切に思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、そんな折 巣籠り状態の私は9月10日、文京シビック小ホールで開催の*シビックシアター・ト ークショーでの影アナのご依頼を頂きました。今年2月 私が企画し開講した「娘義太夫講座」の時 お力添えを下さった方から等のご推挙でした。
*『疑惑』:1982年制作 監督:野村芳太郎 原作・脚色:松本清張
音楽:芥川也寸志 主演:岩下志麻 桃井かおり
当初は岩下志麻さんがお出でになる予定でしたが、 大勢の観客で蜜になる危険性を考慮し、ご主人の篠田正浩監督から「講演キャンセル」とのご連絡を頂きました。そして岩波の映画評論家 井坂能行氏のトークショーへと変更になりました。席は収容人数の30%、100席程度に減らし 往復ハガキかメールでの応募でした。
当日は厳重なコロナ対策のなか 116名がご来場されました。大盛況でした! 皆さま ‘イベント’ を待ち望んでいらしたのだと思いました。また、岩下志麻さんからはご丁寧なお手紙とサイン入りの本 10冊が届き、ご来場者に抽選で配られました。
今回のコロナ禍による自粛生活で大切なことに気づきました。 人は誰かと喋らないと言葉を発せられなくなるという現実です。喋らないと口まわりの筋肉が衰え、滑舌が悪くなります。声に力もなくなります。身をもって体験しました。
お喋りは大切です。メールでの ‘会話’ ではダメです。今回の影アナの件で早く気がついて良かったです。(滑舌トレーニングの良い機会を頂きました。)
施設の高齢者たちが話せなくなる理由の一つが分かりました。 痴呆にも繋がる気がします。施設の方と話し合って、リモート傾聴も考える時期なのかも知れません。