声のする方に目を遣ると、その声の主は 最近 入居されたコウゾウさん(85才 男性)でした。
「本当にビックリしたよ!気持ちよく寝てたのにさ・・。俺がどんな悪いことをしたって言うんだよ。」「こんなこと(肩を揺すって起こした)をされるなんて・・。(あんたは)人間じゃないよ!心臓が止まっちゃうよ!」と何度もくり返し悪態をつき、やがて・・ コウゾウさんは涙まで流し始めました。
(落語家さんの噺をきいているようで、不謹慎ですが私は思わず吹き出しそうになりました。実際、声も語り口調も落語家のようでした。)
その介護士さん(40代の女性)は、「いま寝てしまうと、夜中に目が覚めて眠れなくなるでしょ。」と宥め(なだめ)ましたが、コウゾウさんの怒りは収まりませんでした。介護士さんは同意を求めるように私の顔をみました。
私も両親の介護経験があるので分りますが、確かに 長時間 昼寝をしてしまうと夜は眠りが浅くなります。夜勤の介護士さんにとっては負担が増えるのでしょう。
ただ、長時間の昼寝をコントロールするのは仕方ない(大事)とは思いますが・・。気持ちよく眠っていらっしゃる方への起こしかた(目の覚まさせ方)に少々 問題があったのではないかと思いました。双方どちらもお気の毒でしたが・・。暫く そのやり取りは続きました。
敬聴を終え8階の喫茶ルームに行くと、カズさんの姪御さんのTさん(このブログの 28) 『えっ、総理秘書?』 と 29) 『わたくし 150才まで生きたい!』 に登場。)がいらしてました。「いつも伯母がお世話になっております。」とご丁寧なご挨拶を頂きました。
そして「いつも伯母が元気なのは、あなた様のおかげね。話を聴いてくださって!」と労って下さいました。私はたいへん恐縮いたしました。
私にとっても〝カズさんとの出会い〟は貴重な得難いものでした。カズさんがいらしたから、より敬聴に対する思いが深くなり、また楽しくなった気がします。
Tさんは更に「今度はうちの娘の傾聴もお願いしようかしら。」「よろしくお願いしますね。」等と上品で丁寧な言葉遣いで仰いました。
お嬢さんは50才だそうです。そう言えば、以前お会いしたことがありました。
「悩みをきいて、いろいろと相談にのって頂きたいの。」と。(えっ、私に?)とんでもないです。冷や汗ものでした!
( 2019年10月 8日(火) 14:00~15:00 )
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