さっそくカズさんのお傍に行くと、「あなたも大変ね。総理の秘書ってお忙しいでしょ。」と開口一番、私に仰いました。
まだ 私を安倍総理の秘書だと思い込んでおられるのです。更にカズさんは「総理はあんなに激務なのに、いつもきちんとネクタイを締め、ピシッとしたスーツ姿で決めていて偉いわ! あなたのおかげね!」とも仰いました。(私・・?)困りました。何度 訂正しても、カズさんはこの件だけは分って下さらないのです。
そこへ インドネシア人の介護士 エドさんが我々の前を横切りました。するとカズさんはエドさんを呼び止めて私を紹介し始めました。エドさんは苦笑しながら「前に紹介してもらったよ。」と片言で答えました。
その後、カズさんはもう一人のインドネシア人介護士 リオさんを見つけると「※マカン マカン スダ?」と声をかけました。リオさんは笑いながら「スダ」と答えました。
私はびっくりしました! カズさんはインドネシア語まで話せるのです。なんと・・、カズさんはトリリンガルだったのです!
リオさんに尋ねると「マカンマカンスダ?」とはインドネシア語で『食事は済んだの?』と言う意味だそうです。英語のみならずインドネシア語まで話せる「106才のカズさんは凄い!」と思いました。
※「マカンmakan」とは食事のこと。そして「マカンマカン」とはインドネシア語で「食べて食べて」という意味だそうです。また 「スダ(sudah)」とは「もう~した。もう~である。」という(完了)を表す助動詞です。
リオさん曰く、マレーシア(マレー語)とインドネシア語はとてもよく似ているそうです。ゆえに、従軍看護婦時代にマレーシアに行ったことのあるカズさんは インドネシア語(マレー語)が話せるのだろと教えてくれました。
それにしても80年近く前の言葉を覚えていて 話せるなんて凄すぎます。
話題は今日の昼食に移りました。カズさんは「最近、お粥食になっちゃったのよね。」と今度はいつになく神妙に仰いました。
私が「食べやすいし消化が良いからではないですか。」と言うと
カズさんは「でも、お粥のカレーライスよ。」と不満そうに訴えました。
「食べたい物を食べて、言いたい事を言って生きたいの! ワタクシは。」と付け加えました。そうです! そう来なくっちゃ いつものカズさんではありません。「・・・を食べて、言いたい事を言って死にたい。」ではなくて 『・・・生きたい!』が前向き(?)なカズさんらしいと思いました。
106才からの提言でした!
( 2019年10月 8日(火) 14:00~15:00 )
安田講堂 |
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