2019年9月25日水曜日

80)「ゆしまの郷 夏祭り」

この日は特養「ゆしまの郷」の夏祭りでした!

先ず1階のホールを覗いてみました。すでに大勢の人が集まっていました。
ホールの真ん中では人々が太鼓をかこみ 輪になって盆踊りを行っていました。
炭坑節でしょうか、囃子がながれていました。入居者やそのご家族、また職員さんも皆さま お揃いのピンクやブルーの半纏をお召しになっていました。

見渡すと、6階の顔見知りの方々も何人かいらしてました。皆さま とても楽しそうに手拍子をなさったり、座ったままで手踊りをされていらっしゃる方もお出ででした。

ブルーの半纏をお召しになった家族会のMさん(先日の傾聴志願者、82才 女性)もいらしており、少しお話をいたしました。

そして6階の敬聴に向かおうとした時、N子先生(ゆしまの郷の副理事長)とバッタリお会いしました。N子先生は私を見つけると「○○さん(私のこと)、あなたを待っていたのよ。」と仰って少し敬聴についてお話をいたしました。

時間は刻々と過ぎ、急いで6階へのエレベーターに着いた時、車椅子を押されたトシコさん(95才 女性)に出くわしました。私がトシコさんの肩に手を触れ 中腰になってご挨拶すると、トシコさんはお顔をほころばせ、やがて泣き始めました。私の手を握り離しませんでした・・。

6階に着くと、そこにはあまり人がいませんでした。介護士のTさん(70代 女性)が「今日は‘夏祭り’だから、殆どの方が一階に行っているか、お部屋で休んでいるのよ。どうします?」と仰いました。

「はい、分かってます。いま1階のホールを覗いてきましたから。」と答えると
「じゃあ、今日は私が傾聴して頂こうかしら。」とTさんは笑いながら仰いました。時計を見てみると、(敬聴の終了時間まで)もう15分位しかありませんでした。「では、少し雑談でも・・。」と私も笑って答えました。

聞くところによると Tさんは以前、訪問介護のお仕事をしていたそうです。その後、ご縁があって この施設に勤めるようになったとのことでした。

Tさんは真顔で「私がこういう施設で働いているのに、実母が介護を必要としている時には、自分自身でお世話が出来ず、今は弟が面倒を見てくれているのよ。」と声を落とし、遣る瀬なさそうに話されました。
「私も もう年だし・・、この仕事を続けるのも大変なのよ。」と付け加えになりました。

複雑です。切ない話です。先日の介護付き有料老人ホームでも同じようなお話をお聞きしたばかりです。日本の未来はどうなってしまうのでしょうか。

          ( 2019年  7月20日(土)14:00~16:30 )



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2019年9月15日日曜日

79)「銀座の美味しいシュークリーム屋さん」

今日は介護付き有料老人ホームでの敬聴です。

職員さんから4階でのグループ傾聴を依頼され、皆さまにご挨拶をしていると、息をきらして2階から上がってきた介護士さんに「昨日入居された2階の方が、話し相手がいなくて淋しいと仰っていますので2階でお願いします。」と言われました。

私は慌てて4階の方々に「ごめんなさい。後でまた来ますね。」とお詫びして、急いで 2階に降りました。

カウンター席で紅茶を召しあがっていたその方は、カツコさんという85才の女性でした。不安げな眼差しで 少々 他人に対して警戒心が強いように見えました。人見知りなのかもしれません。介護士さんに紹介され、私はカツコさんのお隣に着席いたしました。

 なるべく  ゆっくりとした口調で、にこやかに 「初めまして○○と申します。今日はお話を伺わせて頂きますね。よろしくお願いいたします。」とご挨拶すると、 カツコさんは少し‘はにかみ’ながら 私の方にお顔を向けました。(何からお話をお聴きしたら良いかしら?)

「昨日、ご入居されたのですか。」とお尋ねすると、 カツコさんは戸惑われ、介護士さんに助けを求めるように目を遣りました。 (うーん、困ったなあ。お話を伺う糸口は何にしようかしら ・・・。)

ふと目を遣ると、カツコさんの爪にはライトコーラル(赤みを帯びた肌色のようなピンク色)のマニキュアが綺麗に塗ってありました。 「きれいな爪ですね。そのマニキュア、素敵です!」と言うと、 少し顔がほころび、カツコさんは両手を少し広げ、私に目を向けました。

 「これは・・ね。昨日 ここで(この施設で)資生堂の美容部員が塗ってくれたの。でも、私は いつも 銀座のサロンに行き、ネイリストに塗って頂いているの。」と仰いました。よく見てみると、爪の半月部分にはメタルパーツまで付いていました!

「あなたは何処のサロンにいらしているの?」と今度はカツコさんから尋ねられました。私は慌てて、「いえいえ、私は自分で塗っています。」とお答すると 
「そう。」と仰いました。そしてもう一度、ご自分の手をご覧になりました。

その後は、ご自身の事を少しづつ話されました。
10年前に亡くなられた立派なご主人のこと。才能あふれるお孫さんの話。そしてご自身はクラシック音楽が大好きなこと等など。ただひたすら・・、私はお聴きしました。

カツコさんはとてもお洒落な方で、ヘアカットには六本木の‘カリスマ美容師’のお店まで、車でいらっしゃるそうです。 「(これからは)ネイリストにはここ(この施設)に来て頂こうかしら。」と仰いました。

その後、お話は美味しいスイーツにうつりました。
「ねえ、銀座に美味しいシュークリーム屋さんがあるでしょ。何というお店だったかしら?」とお尋ねになりました。 (私・・・?)私は知る限りのお店の名を上げましたが・・、どれも違いました。何処かしら? 

後日、友人・知人に聞いても分りませんでした。未だに謎・・です。

「今度 銀座に行ったら、皆さんにお土産に買ってきてあげましょう。」と付け加えになりました。
いろいろな方がお出でですね。わたし少々、カルチャーショックを受けました。

          ( 2019年 7月16日(火)16:00~17:00 )

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