この日のキクさんは少々気だるそうでした。おそばに行き 『お元気でしたか?』 とご挨拶すると、『まあまあね・・。でも・・ ね、年をとるとつまらないわ。』 と仰いました。
頭 (記憶力) や体が言うことをきかなくなり、何事にも自信が持てなくなるとの事です。
『キクさんが一番楽しかった時代っていつですか?』 と尋ねると、『山登りをしていた頃かしらねぇ。』 と少し明るいお顔になってお返事を下さいました。
『 (登山道ですれ違うときなど) 見ず知らずの方々とご挨拶を交わすのが嬉しかった!』 とのことでした。
それから暫し ご挨拶や会話についてお喋りをしました。
キクさん曰く 人間関係で大事なことは、
『いつも自分が ‘中心となって’ 会話をするのではなく、相手に話をさせて自分は聞き役に回ること。』 だそうです。
また 『 「じぶんが、自分が・・・。」 ではなくて、お互いに (相手が ) 気持ち良く話が出来るように持っていく (配慮する) ことが大切 』 とのことでした。
それが‘話に花を咲かせる’と言うことだそうです。 (すごく含蓄のある言葉です!)
そして 『 相手やその話を否定的に考えず、なるべく好意的にみること。』
『 (腹が立っても) きつく言わず、にこにこと優しく言うこと。 』 など等。
つねに柔らかな物腰で、しなやかな人になることが大切との事でした。
私は 「敬聴」 にもつながると思いました。極意とも言えそうです。
更に私が 『 (相手の話の中で) どうしても譲れない時など、どうしたら良いでしょうか?』と尋ねると (結構、わたしは‘マジ’でした!)
キクさんは 『 「(そういう時は) もう少しお互いに考えてみましょう。」 等と言ったらどうかしら。』 とアドバイスを下さいました。
完璧です。以上、キクさん語録でした!
キクさんは私に ‘様々なアドバイス (?) ’ を下さると、生き生きしだし心なしか毅然とし始めて、自信を取り戻したかのように見えました。
人の役に立っているという自負、訓えているという誇りからでしょうか。
一方、マリコさん (78才女性) は相変わらず私のことを 『草月の先生!こんな所に来て頂いて勿体ない!』 等と仰います。
また、カズさん (103才女性) はこの日が入浴の日だったようで、介助の介護士さんに 是非 私を紹介したいと言い張りました・・・。
ただこの日も、中堅の介護士さん (女性) の言葉使いや態度がきつく感じられました。
お年寄りたちがピリピリしておりました。
大変なのは解りますが・・・、ご自身もお年寄りたちも、また私のような部外者も居心地が悪くなり、重苦しいムードになります。
深呼吸などをして、気持ちの切り替えを試みるのは無理なのでしょうか。
お役に立てない私自身にも情けなくなりました。
( 実施日:2017年1月7日(土) 14:00~15:00 )
安倍文殊院(金閣浮御堂霊宝館)
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