2017年2月25日土曜日

9) 二人の総理から戴いた2枚の表彰状! その3

小渕恵三元首相から戴いたもう一つの表彰状とは、カズさん(女性)が若かりし頃に従軍(**)看護婦をされていた事への感謝状でした。

**日本の従軍看護制度が始まったのは、明治20年代と言われる。1890年(明治23年)4月に、日本赤十字社看護婦養成所に10名が一期生として入校した。養成期間は3年で、卒業後には20年間にわたり応招義務が課せられた。

日本赤十字社看護婦養成所を卒業した者は、平時には日赤病院その他に勤務し、戦時招集状が届けば、いかなる家庭の事情があろうとも戦地に出動するのが原則であった。

事実、太平洋戦争(大東亜戦争)時には、産まれたばかりの乳飲み子を置いて招集に応じた看護婦も少なくない。

カズさんは時々、『我われナースは・・・。』等と、英単語を交えながら、当時の様子を話し始めました。

いきなり船で戦地に連れていかれ、遠い異国で負傷者の手当てをしたとのことでした。
誇らしげでもあり、壮絶な体験を思い出したようで複雑な表情でした。

(実施日:2015年12月26日(土)14:00~15:00)



円覚寺 紅梅
百花の魁(さきがけ)

円覚寺 山門前のおすまし猫(しいちゃん)

2017年2月15日水曜日

8) 二人の総理から戴いた2枚の表彰状! その2

「青濁色」の小さな器(?)とは、安倍総理から100歳の長寿記念に戴いた「銀杯(*)」の変色 した姿でした。よく見ると「寿」の文字が器の底にうっすらと読み取れました。

カズさん(女性)曰く『おひな祭りの時に、甘酒を入れたら色が変わってしまったの!』 とのことでした。何ともお茶目な102才の淑女ですこと。

*100歳を祝い、敬老の日(9月15日)に首相から贈られる銀杯は、ご時世もあり純銀製から 銀メッキ製に変わったようです。

しばらく一緒にながめておりましたが、カズさんが『○○さん(私の名前)、私は安倍総理からではなく、貴女から賞状を頂いた方が嬉しいわ!』と仰いました。

あまりのお言葉と毅然としたその物言いに、またもやビックリ(絶句)の私でした。

(実施日:2015年12月26日(土)14:00~15:00)
 

湯島天神の巫女さん
左:丈長と熨斗の髪飾り

湯島天神の「梅まつり」(2月 8日〜3月8日)の前日
早朝参りをした際、可愛い巫女さんに出会いました。
髪飾りと共に一枚撮らせて頂きました。


湯島天神の梅



2017年2月5日日曜日

7) 二人の総理から戴いた2枚の表彰状! その1

102才のカズさん(女性)から、『是非、わたくしのお部屋に来て欲しい!』
いうお申し出を頂きました。
『あなたにお見せしたい物があるの。』

6Fの談話室に着いて皆さんに『こんにちは!』のご挨拶をしたその時でした。
私は未だコートもバッグも持ったままです。

さっそうと車イスを両手と両足で操り、カズさんは個室に案内して下さいました。
もちろん彼女は介護士さんからの許可も忘れませんでした。
 
お部屋はこざっぱりとしていて思ったより広かったです。
お部屋はみな窓際に面しているようで、採光も申し分ありませんでした。

カズさんはチェストの上に置いてある賞状を自慢げに指さしました。
指された方を見るとビックリです! 何と一枚は小渕恵三元首相からで、そしてもう一枚は現役の総理大臣、安倍晋三氏からの表彰状でした。

でも・・・、安倍総理から戴いた表彰状の前に置いてある「青濁色」の小さな器は何かしら?

(実施日:2015年12月26日(土)14:00~15:00)




直島 草間彌生作 「黄かぼちゃ」

直島 草間彌生作 「赤かぼちゃ」



2017年1月25日水曜日

6) 『一人でも出来る楽しみを持つ!』 その2

キク(女性)さんは周囲にとても気を遣う方で、ひとり、二人と入所者がフロアーに集まって くると、会釈などをしてご挨拶をされておりました。

しかし反応は少なく、人見知りの方も多いようで殆どは無視されておりました。 キクさんは私に『どんな時でもどんな所でも、‘ごあいさつ’は大切よ。』とそっと囁きました。

私が話題を変え『年を重ね施設などに入り一人になった時、‘楽しく生きる コツ’って何ですか?』と尋ねたところ、即座に『一人で出来る趣味を持つこと!』と仰いました。

あまりにも深みのある言葉を頂き、私は自分が傾聴ボランティアに来ている」のか、人生の達人に「生きるアドバイスを頂きにきている」のか分らなくなりました。
帰宅後この言葉を忘れぬよう、直ぐにメモをしておこうと思いました。

いろいろな方がいらっしゃる! 年をとり多少物忘れが多くなっても、みなさま素晴らしい人格をお持ちなのだ!


私も「楽しく朗らかに生きなくては!」とあらためて思いました。

(実施日:2015年11月21日(土)14:00~15:00)




2017年1月10日火曜日

5) 『一人でも出来る楽しみを持つ!』 その1

今日は前々回と同じ6階フロアーです。

今回お話を聴かせて頂いたのは、97才の女性、キクさんです。
長野県のご出身で、若い頃はよく山登りをされたとの事。でも年をとってからは専ら一人でできる「詩吟」を嗜(たしな)んでいるとのことでした。

ニコニコした優しい方で『長野でも田舎の方なので、往復2時間以上もかけて小学校に通っていた。』と話されておりました。

『登校時はしっかりと朝の太陽の光を浴び、下校の際も陽が沈む方に向かって帰るので、一日中、太陽の光を浴びて日焼けしてしまったの。それで顔が黒いの!』とつけ加えられました。

私が『今は小麦色の肌の女性の方が‘ヘルシー肌’でモテますよ!』と言うと、涙を流して笑って下さいました。朗らかな方だなと思いました。

(実施日:2015年11月21日(土)14:00~15:00)





ツッカーノ:ブラジルを代表する幸運の鳥



2016年12月25日日曜日

4) 傾聴初日 認知症フロアー その2 『救世主あらわる?』

その時、陽がさしている窓際から声をかけてくれた女性がいました。
『たいへんねぇ!』と。 職員さんかしら? 助け舟を出して頂いたように感じました。

その場をとりなすように、お食事のメニュ―表を示して下さったり、壁に飾ってあるお人形用の着物の説明もして下さいました。
でも・・・、いろいろお話をしているうちに、普通に思えた70代の女性ですが、ところどころ辻褄が合わなくなるのです。

ふと見ると、彼女のニットブルゾン首のところから、ぬいぐるみのワンちゃんがちょこんと顔を出しているではありませんか。

そして彼女はそのワンちゃんに話しかけ始めました…。
『寒くない?そろそろご飯にしようかね?』と・・・。 ハットしました。
そうです。 ここは痴呆症状の重い方々のフロアーだったのです。

暫くすると、湯島天神の「菊祭り」から戻られた方々がフロアーに集まりはじめました。
私がご挨拶をすると、車いすで帰られた80代の女性が楽しそうに「菊祭り」のお話をしはじめました。 私は少しホッとしました。

傾聴時間も終わりに近づき、私は気を取り直して、もう一度最初にお話を伺いにいった方の所に行ってみました。

彼女の隣に腰を屈め、ただ傍に寄り添っていたら、急に彼女が涙を流しはじめました。そして今度は私の顔をじっと見つめました。
胸がつまりました。熱いものが込み上げてきました。少しだけ‘つたわった’ような気がしました。

傾聴時間の一時間を終え、帰り際にみなさんに笑顔で手を振ると、何人かが手を振りかえしてくれました。そして『また来てね!』と背中の方でどなたかの声が聞こえました。

(実施日:2015年10月31日(土)14:00~15:00 (認知症状の重いフロー))




photo: (c) Hiro K
http://ganref.jp/m/md319759/portfolios


2016年12月10日土曜日

3) 傾聴初日 認知症フロアー その1 『いきなり試練?』

ひとり立ち一日目。でも何か変! 指定された階は前回お約束した6階ではなく
4階でした。不安がつのりました。

4階フロアーは6階とは異なり、フロアーにいる方々みんなが傾聴の対象ではなく
介護士さんから特定の方を指定されました。

80代の女性。警戒心がつよく容易には人を寄せ付けない方のようで顔も合わせて
くれません。いきなりピンチ!

でも仕方ないですよね。誰だって見ず知らずの人にそう易々とはこころを許して
くれる筈ないですものね。

私は先ずしゃがんで目線を同じくし、笑顔でやさしく‘威圧感’を与えないように
注意して言葉をかけてみました。

でもダメでした。何をきいても『存じません。』の一点張りです。お名前さえ教えて
はくれませんでした。完全アウエー状態です。

どうしよう、どうしたら良いの…? 早くも傾聴はしっぱい?
頭がパニック状態になりました。

(実施日:2015年10月31日(土)14:00~15:00 (認知症状の重いフロー))


宿根木の少年ボランティア
宿根木の町並み案内 少年ボランティア



上記の写真は、昨年の夏、佐渡旅行した際に、観光バスで宿根木を訪ねた時のものです。そこは風光明媚で素晴らしいところでした。

宿根木は佐渡金山が栄えた17世紀を経て、北前船の寄港地として発展した小木海岸の入り江の集落で、迷路のような路地に今も100棟を超える板壁の民家が密集しているとのことでした。船大工さんの技術が集結した町並は、いにしえの人々の生活や物語がたくさん染み入っており、穏やかな時間が流れておりました。

そして何より感動したのが、町並みを案内して下さった中学生ボランティアの皆さんでした。とてもよく勉強されていて、我々はみなその一生懸命さと純粋な熱意にこころを動かされました。

中学生ボランティアは、平成25年以前の小木中学校の頃から続けられてきたガイドで、夏休みの土日に限るガイドさんだそうです。

現在は地元の南佐渡中学校の皆さんが担当し、宿根木の「夏の風物詩」の一つになっているそうです。宿根木への好印象が倍増し、また訪れたいと心から思いました。

今回「敬聴のブログ」に彼らの写真を掲載させて頂いたのは、宿根木の「けなげ」で「純粋な」少年ボランティアの皆さんのお顔をみれば、ホームのお年寄りたちもさぞかし喜ばれることだろうと思ったからです。