2023年3月15日水曜日

163) 【徒然に】上杉 謙信って・・

M教授の退官記念講演は「夢と志」というタイトル。先生が心酔している武将の一人、上杉謙信の言葉 ‘天地人’ に絡めてのお話でした。天が与えてくれた「恩師との出会い」そして地の利(良い環境)での「研究課題」それから何より大切な「研究班のメンバーたち(人)との和」を述べておられました。医師としての生涯の研究テーマやその素晴らしい業績などを織り込んだ講演でした。

あらためて調べてみました。「天地人」とは上杉謙信の言葉からとられていますが、これは、孟子の教え「天の時 地の利人の和」を上杉謙信が引用したと考えられています。 戦に勝つには、即ち 物事を成功させるにはこの3つの条件が必要だということです。 

上杉謙信は戦が強かったことから「軍神」とか「越後の龍」などと呼ばれていましたが、その一方、自分の欲よりも義を重んじた武将としても知られています。上杉謙信は、助けを求める人には手を差し伸べるなど義に厚い面があったそうです。

これは幼少時から寺に入門して仏道を学び、信仰心や義の心を育んだことも影響していたようです。因みに、自らを「毘沙門天」の生まれ変わりと称していました。

『運は天にあり、鎧は胸にあり、手柄は足にあり』という名言は、上杉謙信の居城である春日山城の壁に書かれた「春日城壁書」の一節です。言葉の意味は「運に任せないで、自分自身で道を切り拓け」という武士としての心得を示すものだそうです。

また「敵の弱みにつけこまず、逆に苦境から救う」という意味の「敵に塩を送る」という言葉は上杉謙信が塩不足で苦しんでいた敵将の武田信玄に“塩を送った”行動から生まれたことわざ(古事)とされています。史実は分かりません。

余談ですが、上杉謙信は「実は女性だった」という俗説(歴史小説家、八切止夫氏など)もあるようですが、真意はともかく「敵に塩を送る」等という心遣いも憶測を生む要因の一つでしょうか。

私は以前、古文書を学んでいたことがありますが、謙信の書状の筆跡はとても繊細で美しく線も細かった記憶があります。女性的と言えば女性的。墨も黒々としてはおらず、薄かったように覚えております。もちろん達筆でした。

読書の好みも源氏物語や伊勢物語などの恋愛ものだった(『戦国大名と読書』小和田哲男著)とか生涯独身を貫いたことなど等も、上杉謙信女性説の根拠となったようです。但し 王朝文学である『源氏物語』は戦国武将の基礎教養の一つだったとも書いてありました。

最近評判の男女逆転劇、NHK総合 ドラマ10の『大奥』(原作:よしなが ふみ)と相まって、私の妄想が膨らみました。


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