2022年2月15日火曜日

137) 【徒然に】愛媛松山の道後温泉

あこがれの道後温泉本館は、平成31年1月15日~(令和6年12月まで)一部営業しながらの保存修理中で、鮮やかなブルー地に2羽の白鷺が描かれた 工事用素屋根テントで覆われていました。楽しみにしていたのに・・とても残念でした。

道後温泉は愛媛県松山市に湧出する温泉で、日本三古湯の一つと言われています。その存在は古代から知られ 万葉集巻一にも記され、また夏目漱石の小説『坊つちやん』にも描かれ 愛媛県の代表的な観光地です。 

本館は道後温泉のシンボルであり「神の湯」に代表される温泉施設です。そして日本の公衆浴場として 平成6年に初めて国の重要文化財に指定されながら、博物館化せずに 現役の公衆浴場として営業を続けていることが素晴らしいです。

神の湯本館は、道後湯之町初代町長の伊佐庭如矢が 明治27年(1894)に改築した木造3階建てで、大屋根の中央にギヤマンを使用した塔屋 (振鷺閣) を載せ、その上に道後温泉ゆかりの白鷺が据えられて 西洋の技法を取り入れたトラス構造を用いた壮麗な三層楼の本館となっているそうです。

そして明治32年に桃山時代の様式を模して造られたという又新殿も(日本で唯一の皇室専用浴室だそうですが)今回の旅では観覧できませんでした。(*令和4年1月20日より一般観覧を再開したようです。)

他にも「神の湯」をはじめ、雑誌でよく取り上げられる「二階席の大広間(休憩室)」も利用できず※「坊っちゃんの間」も見学できませんでした。

※「坊っちゃんの間」: 道後温泉本館改築後の明治28年に松山へ赴任した夏目漱石が、その年の10月に正岡子規と利用したといわれる個室 (本館三階個室の北西の角部屋) で、昭和41年に夏目漱石の娘婿である文人・松岡譲氏により命名された。

今回、私が入浴できたのは「霊(たま)の湯」。神の湯に比べるとこぢんまりしているそうですが、最高級の花崗岩である庵治石や大島石を使った浴室に、壁面には大理石を使用するなど高級感があふれる浴室となっていました。

温泉好きな私としては道後温泉は憧れでした。私は仲間たちと名湯・秘湯を含め、生まれ故郷 山形の銀山温泉、長野の七味温泉や中房温泉、そして富山は大牧温泉、和歌山の白浜温泉や兵庫の有馬温泉と城崎温泉、さらに大分の別府・湯布院温泉など等には既に訪れておりました。

道後温泉の泉質は単純温泉でした。岩手の大沢温泉(アルカリ単純泉)や長野の高峰温泉(炭酸水素塩温泉)と同じくらいに 肌に優しい化粧水のような温泉水で、過密スケジュールの旅ゆえ 入浴時間は限られていたものの 私は満ち足りた気分になりました。
 


来島海峡大橋