今回の研修では※1 アブラハム・マズロー(アメリカの心理学者。人間心理学の生みの親と言われている。『欲求5段階説』を提唱。)と※2 アルフレッド・アドラー(オーストリアの精神科医・心理学者。「個人心理学」〔日本では「アドラー心理学」と呼ばれている。〕を構築。)が紹介されました。
いずれも名前だけあげて軽く触れる程度でしたが、興味を惹かれ調べてみることにしました。
※1『マズローの欲求5段階説』とは 人間は自己実現に向かって絶えず成長する
生きものであると仮定し、人間の欲求を5段階に理論化したもの。1段階目の欲求は原始的であり満たされると、次の2段階目の欲求を満たそうとする 基本的な心理的行動を表している。上の段階にいく程 高次な欲求と言われています。
第1段階:生理的欲求(食欲・排泄欲・睡眠欲など、生きていくために必要な基本的本能的な欲求。)
第2段階:安全欲求(安心・安全な暮らしへの欲求。)
第3段階:社会的欲求(友人や家庭、会社から受け入れられたい欲求。「愛情と所属の欲求」とも表現される。この欲求が満たされない状態が続くと、孤独感や社会的不安を感じやすくなり、時には鬱状態に陥るケースもある。)
第4段階:承認欲求・尊重欲求(他者から尊敬されたい、認められたいと願う 内的な心を満たしたい欲求。この欲求が妨害されると、劣等感や無力感などの感情が生じる。)
第5段階:自己実現欲求(自分の世界観・人生観に基づいて「あるべき自分」になりたいと願う欲求。潜在的な自分の可能性の探求、自己啓発行動、創造性の発揮などを含み 自己実現の欲求に突き動かされている状態。)
※補足:自己超越(晩年 マズローは5段階の欲求階層の上に「自己超越」の段階があると発表した。自己超越とは "目的の遂行・達成のみをピュアに求める" という領域を指し、見返りを求めず自我を忘れ ただ目的のみに没頭するさま。)
具体的な例としては、
①日々の食事やトイレ介助等は第1段階の生理的欲求を満たす。
②一つひとつの介助で声掛けをし丁寧な介助を行うことや笑顔で接し、怖い思いをさせないこと等は第2段階の安全欲求を満たす。
③皆で談笑できるような環境作りや気心の知れた人間関係は第3段階の社会的欲求を満たす。
④ゆっくり傾聴する。名前を呼ぶ。目を合わせて挨拶をする。お手伝いをして貰いお礼を言う等は第4段階の承認欲求を満たす。
⑤趣味活動を行う。行きたいところに外出する等は第5段階の自己実現欲求を満たす。
老人介護においては 彼らの加齢による喪失体験や置かれている状況などを加味しつつ、これらの欲求を理解して対応することを求められます。
ゆえに 介護に携わる人は その高齢者がどの欲求段階にあたるのか、どの部分に注力するべきなのかを考えるきっかけにしているそうでした。
この『マズローの欲求5段階説』はお年寄りの心理や欲求を理解し、ケアにあたる為の知識として、介護福祉士国家試験にも出題されるとのことです。
(2020年 2月11日(火) 13:30~16:30)
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「西大山駅」 |
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「日本最南端の駅 黄色ポスト」 |
傾聴の会 ぞうの耳の「 傾聴フォローアップ研修」に参加してきました。
今回のテーマは「居心地よい時間を共有するための傾聴~認知症の人に寄り添う~」です。
先ずは「高齢者の気持ちを考える」という項目でのワークショップでした。
言うまでもなく、これは我々傾聴ボランティアが日頃 一番心に留めていることです。そして私の傾聴スタンス「高齢者に対し敬意を払ってお話を伺う」という まさに「敬聴」そのものでした。われわれ参加者で傾聴の留意点を述べ合いました。
その後は、傾聴の基本姿勢である「*1受容」「*2共感」「*3自己一致」等の再確認でした。
*1受容:相手の話をそのまま否定も肯定もせず、また善悪や好き嫌い等の評価を加えずに関心を持って聴く姿勢。(話し手は安心して話ができる。)
*2共感:価値観の異なる相手との話を 相手の気持ちや立場にたち 理解に努める姿勢。
*3自己一致:聴き手自身が心理的に安定し ありのままの自分を受け入れ、率直な気持ちと態度で相手と向き合う。そして相手に対しても自分に対しても真摯な態度で聴くこと。
そして、メインは認知症ケアの手法「ユマニチュード」についてでした。
でも・・、これは私が既にこのブログ32)の番外編「ユマニチュード」で記載しております。研修では民放番組を録画したビデオを参加者全員で見ました。
実は私、2014年05/10放送のTBS 報道特集「ユマニチュードで認知症と向き合う」と2017年04/26放送のNHK Eテレ「ハートネットTV“やさしさ”の技術が地域を変える? ―認知症ケア・ユマニチュードの導入目指す福岡市の試み―」の二番組を既に見ておりました。ビデオも持っております。
【このブログ32)「ユマニチュード」から抜粋】
基本は「見る」「話す」「触れる」「立つ」というコミュニケーション 4つを柱とし150を超える技術から成る。日本には2011年から導入されている。具体的には4つの手法を組み合わせて行う。
「見る」
ユマニチュードで特に大事とされているのが「見る」こと。認知症になると
視野が狭くなるため、先ずは相手の視界内に入り 存在を認識してもらうことが
大切。正面(20cmほどの近距離)から相手と同じ高さの目線で、親しみをこ
めた視線を送る。そうすると言葉で説明するよりも早く確実に「私はあなたの味方です」「あなたを大切に思っています」という事が伝えられる。
「話しかける」
ユマニチュードでは 例え反応が返ってこない方(3秒~3分間位は待つ)に対しても積極的にポジティブな言葉で優しくゆっくり聞き取りやすい声で話かける。
「触れる」
ユマニチュードでは 人間関係を親密にさせるボディタッチを推奨している。相手の背中や手を優しく包み込むように手の平を使い 声をかけながらそっと触れる。
「立つ」
自分の足で立つことにより 人間の尊厳を自覚する。立つことは筋力の維持 向上や骨粗鬆症の防止にもなり、身体機能を保つ効果がある。また他人と同じ空間にいることを認識することで「自分は人間なのだ」という実感にもつながる。
そして ユマニチュードケアで「やってはいけない行動」は以下の3点。
・腕などを突然「つかむ」
・視界に入りにくい「横」や「後ろ」から声をかける
・無理やりに立たせようとする
ユマニチュードの効果は
認知症の方を「病人」ではなく、あくまで「人間」として接することで、認知症の方と介護者間に信頼関係が芽生え 周辺の行動が改善すること。
いずれにしても テクニックではなく、相手に寄り添い 心地良い関係の中でリスペクトを忘れずに敬意を払ってお話を聴くことだと私は思います。
今回 ユマニチュードの再認識はそれなりの意味はありましたが、それよりも 傾聴メンバーが現場で どのような新しい発見をされたのか、“気づき” はあったのか等を私は話し合いたかったです。
(2020年 2月11日(火) 13:30~16:30)
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「熊本県宇城市 三角東港」 |