2017年12月15日金曜日

37)『地図をつくる本』

「蓄音機の会」でご協力を頂いたS氏より、彼の知人が出版している『地図をつくる本』について、施設で試して貰えないかという相談を受けました。

本を見せて頂き、私はこころ惹かれました。先ず絵本の色合いが淡くて優しい。そして文章も温かくてわかりやすく、言葉がスーッとこころに入ってきます。

子供の頃 自分が暮らしていた町や村を思い出し、絵本の付録である白い紙に、本に描かれている ‘ 家 ’ をハサミで切ったり ちぎったりして貼り付け、その他、頭に浮かぶ八百屋さんやお魚屋さん、そして駄菓子屋さんやお蕎麦屋さん、また 銭湯や郵便局、お友達の家など等を、絵本の中の様々な色合いの用紙から選んで ちぎったり等し貼っていくのです。

今はもう無くなってしまった建物も含め、自分だけのこころの中にある地図を作っていくのです。 その当時の ‘ 自分 ’ を思い出しながら。
通学路を歩いた時に見た ‘ 草花 ’ やその ‘ 匂い ’、夕方に聞こえてきたお豆腐屋さんのラッパの音なども・・。

自分自身の地図を作りながら、仲良く遊んだ幼なじみの顔を思い出したり、当時の遊び道具を思い浮かべたり。心がなごみくつろぎを感じるかもしれません。
世界でたった一つの自分だけの地図です!こころの旅、時間の旅です。

高齢者にとって、紙をちぎったり貼ったり、いわゆる ‘ 指先を動かす ’ ことは脳の活性化にもつながります。
また、お孫さん達とも一緒に遊び楽しめる ‘ 作業する絵本 ’ なのです。
 

これはお年寄り達の回想法の一つになると私は思いました。

さて・・、でも これを傾聴の会のメンバーにどのように説明したら、ご支持を得られるのでしょうか。難題(?)かもしれません。

(2017年10月4日(水))



地図をつくる本