2023年10月25日水曜日

177) 【徒然に】ビーチサンダルで三越劇場へ

先日、大事な「第二回 ひとり朗読会」前に左足の小指を骨折してしまいました。不覚でした。急いでいてベッドの脚にぶつけたのです。

その日は「新内仲三郎公演ー江戸の粋 吉原と新内舞踏ー」に行くために慌てておりました。指の痛みは尋常ではなかったのですが、仲三郎さんのご子息 ‘新内多賀太夫’ さんの艶のある美声を生で聴いてみたい一心と、やっと取れた席がもったいなくて無理して三越劇場まで参りました。(その時は打撲だと思っていたからです。)

ただ、いざ到着してみると、あろうことか私は公演日を二日も間違えておりました。小指の痛さと悔しさで踏んだり蹴ったりの日になりました。

その二日後の当日、三越劇場に電話し事情を説明しましたが、もちろんキャンセル出来るはずはありませんでした。よく考えたすえ、私は自宅前からタクシーに乗り、限りなく劇場に近い入口に向かいました。右足はスニーカー、骨折した左足小指は腫れあがって靴が履けないので、素足にビーチサンダル姿でです。

恥ずかしかったのですが、三越劇場の係の方から『ビーチサンダルでいらしても大丈夫です。構いません。』と言われたからです。(所詮、他人事ですからね。)

私は医師から「うっ血しないよう患部を高くするように」とのアドバイスを受け、係の方にお願いして 席の前に靴箱のような左足を載せる台をご用意して頂き、おかげさまで無事に鑑賞してこれました。(感謝です。)

包帯の足を箱台にのせていると、隣の席に座られた70代の粋な女性から『どうなさったの?』と心配そうな声をかけられました。そのお隣のご友人も私の足に注目なさっています。私はいきさつを説明せざるを得なくなりました。

ひと通りお話しすると、その方はよりご心配や同情して下さり、私は 大事な朗読会を控えている’ 等の話もしてしまいました。優しくて素敵な方でした。公演終了後には『くれぐれもお大事にね。朗読会のご盛況を祈ってます。』とのお言葉まで頂戴しました。

さて、肝心な新内節ですが、新内の三味線は中棹ですが 多賀太夫さんはピンマイクをつけておられました。もう少し声量のある方かと思っていた私には意外でした。それ程の感動はありませんでした。昔、ある所で聴いた ‘新内流し’ を思い出しました。情感にあふれ心を打たれたことを憶えています。

三味線は普段 私が聞きなれている ‘義太夫の太棹三味線’ の方が迫力があり、私は好きだなとあらためて思いました。勿論ジャンルが違いますし、好みの問題ですが。

今回の新内舞踏は「ひとり朗読会」の前に、江戸の雰囲気を味わっておきたいという思いもあっての鑑賞でした。



肥後細川庭園


2023年10月16日月曜日

176) 【徒然に】第二回「ひとり朗読会」など 今秋の二つの朗読会終了

第二回ひとり朗読会(9/30)をはじめ、コンパーニョ 7(10/15 朗読教室のメンバーとの会)二つの朗読会が無事に終了しました。ほっとしました。本当にほっとしたところです。

第二回ひとり朗読会は相方に恵まれ、惜しみなく協力してくれた友に恵まれ、また足を運んで下さる〝たくさんのお客様〟に恵まれての幸せな朗読会でした。支えてくださった心優しい友たちに感謝です。

今回は難しい演目『白子屋騒動』に挑戦しました。いわばチャレンジ編です。現段階での私のすべてを出した朗読でした。「映像(情景)が浮かんだ」という嬉しいお言葉も頂戴しました。今年の反省点を踏まえ、来年はあらたな切り口で頑張ろうと思っております。

私の本領は和気藹々(わきあいあい)とした朗読会です。お出で下さった方に楽しんで頂き、ほっこりするような朗読会です。それには〝笑い〟が必要だと思いました。トークには少し笑いの要素を入れています。お越し下さった方々にも〝笑い〟で参加して頂きたいのです。

突き詰めると・・、朗読も傾聴と同様に「主役は語り手ではなく 聴いて下さるお客さまではないか」と思いました。ゆえに、お出で頂いた方々に「楽しんで貰いたい」「喜んで頂きたい」それが私の願いです。

嬉しい話をひとつ。 先日の「第二回 ひとり朗読会」に来て下さった3人目の83才(たぶん)の女性から『朗読会はとても楽しかった』と言うお電話を頂きました。 『来年も(朗読会に)伺えるよう長生きします!』とのこと。 私にとっては最高の労い、最高の褒め言葉でした。

また、今回は施設のイベントと重なり、朗読会にお越しになれなかった「ゆしまの郷」のN子先生も、朗読会の翌日にお電話を下さり「来年は必ず伺うわ!とても楽しみ!」と仰ってくださいました。有難いことです。

そして更に有難いことに、現時点で来年の「第三回 ひとり朗読会」の予約が、口約束ではありますが25名になりました。感謝とともに身の引き締まる思いです。聴いて下さる方あっての朗読です。

女流義太夫の三味線方、鶴澤賀寿さんは勿論のこと、今回お手伝いをしてくれた友人達も「来年も手伝わせてね。」等と言ってくれました。何と優しくて謙虚なのだろうと私は今更ながら感心しました。とても有難いことです。

また、昨日の朗読会では 私はトークを交えて朗読をさせて頂きましたが、帰りがけにお客さまから『楽しかったわ! ありがとう。』とか『とても面白かったわ。是非エッセイをお書きになって!』等とお声を掛けて頂きました。嬉しいお言葉でした!

人の輪を大切にした温かく楽しい朗読会を目指し、また精進してまいります! 


キイジョウロウホトトギス

ヤマボウシ