絵本の読み聞かせ講座 最終回(全12回)は実践の場である発表会です。一グループ5人づづの3グループに分けられました。そして絵本の選書は各グループで其々がプレゼンを行い読む本を決めました。2週間にわたりプログラムやポスターを作り、前週はゲネプロまでありました。本格的です。
私は『かんぺきなこども』を読ませて頂きました。フランスの翻訳絵本です。
‘完璧な子ども’ を求めて〈こどもストア〉に出向く夫妻。お店では好みの子どもが買えるのです。斬新な発想で風刺に富んだお話です。本当は怖い話なのですが、可愛らしい絵で ユーモア溢れる絵本でもありました。ぜひ大人に読んで頂きたい絵本です。
話が脱線しますが『かんぺきなこども』を読んでいて、大学の同級生 Kさんを思い出しました。Kさんは、当時女子の間で憧れの “東洋の神秘” と言われた トップモデル 山口小夜子さんの ‘おかっぱ頭’ をまね、いつも すまし顔で闊歩していました。
その彼女の放った言葉が忘れられません。ある時 私がサークルの後輩を「あの子、綺麗ね。」と褒めた時、「○○ちゃん(私のこと)はあんな子が好きなの?」とKさん。「いや、別に好きとか嫌いとかではなく・・。」と私。「ああいう顔はデパートで ‘美人ください’ って言うと 出てくるような顔よ。」と言い捨てました・・。今回 その衝撃的な発言と共に彼女のことを思い出しました。
さて、発表会当日はとても寒い日でした。そんな中 関係者の他に数人の大人と4歳と1歳半の兄弟を連れたお母さんが聴きに来てくださいました。よちよち歩きの弟くんはお母さんの胸元で、4歳のお兄ちゃんは最前列の真ん中に陣どり 聴いてくれました。
でもその内 お兄ちゃんはうろちょろと動き回り、観客席を見回したりしていました。そして時おり 読み手の顔をみて「どうして?」とか「すごいね!」等と 質問や感想まで述べているのです。合いの手です。ちゃんと ‘聴いているぞ’ というアピールでしょうか。絶妙でした。
全員の発表が終わると講座の修了式がありました。私が修了証書授与の順番を待っていた時です。その4歳の “年下の男の子” が近寄ってきて手を繋いだのです。男の子は胸にサンタさんのアップリケがついた 可愛らしいTシャツを得意げに着ていました!そして私の顔を見て ‘ニッ’ と笑いました。
みなさま、各々 味わい深い『読み語り』でした。朗読の仕方も人それぞれです。上手でなくても伝わる読み方があります。その方 その方の醸し出す「世界」があり、楽しみがあります。とても奥が深いです。突き詰めて言えば、そこに読み手の人間性が表れると私は思うのです。
※講師が朗読した絵本
⑴『そっと いちどだけ』(作:なりゆき わかこ、絵:いりやま さとし)
◎素晴らしい絵本でした。私の忘れられない一冊となりました。
※借りてきた絵本
⑴『かんぺきなこども』(作:ミカエル・エスコフィエ、絵:マチュー・モデ、訳:石津 ちひろ)
⑵『だいじょうぶ だいじょうぶ』(作・絵:いとう ひろし)
※以前 購入した絵本
⑴『チェンジ・ザ・ワールド! ~世界を変えた14人の女性たち』(作:スーザン・フッド、絵:13人のすばらしき女性画家、訳:渋谷 弘子)