安曇野市にある碌山美術館に行ってきました。92歳で亡くなられたM氏の遺言により 荻原守衛(碌山)制作の《宮内氏像》が美術館に寄贈されたからです。その特別展示とM氏のお嬢さんによる特別講演が4月22日の碌山忌に合わせ開催されました。《宮内氏像》とはご自宅で見せて頂いた時以来の対面でした。
今回の寄贈により、碌山美術館に展示されている碌山自身の彫刻作品は15点から16点になりました。《宮内氏像》は日本のロダンと言われた荻原守衛の見事な作品で、ロダンの影響が色濃く感じられました。
学芸員の武井敏氏によると「この《宮内氏像》は碌山の作品の中でも特に貴重な作品である」とのことです。
先ず モデルの性格を把握するため彫刻制作に先立った油彩がある点。次に 碌山自身の意思で日英博覧会に出品されることになっていたこと。そして碌山がロダンの傑作と称える「ジャン=ポール・ローランス像」との類似が認められる点など。更には生前鋳造という点でも特別な価値があるそうです。
なお、この美術館がすごいのは その設立に長野県内の教師が力を尽くし、なんと小中学生も寄付金(児童は5円、10円など)を出して協力したことです。地域社会が守る「文化と芸術」素晴らしいです。文化芸術を伝承するための「あるべき姿」だと私は思いました。
このように碌山美術館は以前から気になっていた美術館でした。一度は是非行ってみたいと。ただ、安曇野もたいへん魅力的で素敵なところだと分かっておりましたが、遠いという印象がつよく なかなか伺うチャンスがありませんでした。
今回、思い切って訪れて良かったです。心身共に充実感がありました。そしてこの時期、ハナモモがとてもきれいでした!