2021年9月25日土曜日

128) 【徒然に】ひととのつながり

会えませんね。友人達となかなか会えません。メールでは伝わらないことがたくさんあります。電話でも細かいニュアンスや言葉とは裏腹の本音も伝えられません。対面していないからです。コミュニケーションには顔の表情も大切ですから。

コロナ禍で人に会う機会が少なくなった昨今、人との繋がりの大切さを心底 実感しました。前文と矛盾しますが、どんな形であれ コンタクトして下さる方は有難いです。特別な用件がなくてもご連絡を頂くのは嬉しいです。

幸いなことに 私は親類縁者以外にも 学生時代の友人や趣味の仲間たち、また区内のボランティアメンバー等からご連絡を頂戴しております。とても有難いです。

そんな中、月一くらいで 必ずメールをくれる元職場の後輩がいます。ゆかりちゃんです。30代前半で 現在は転職し新しい職場で頑張っています。年齢差もあるのに親しくして頂き とても嬉しいです。この間も 前に私がお薦めした「速水御舟」の特別展が山種美術館で開催中との事でお誘いを頂きました。

彼女とは現役中もランチや飲み会に行っておりましたが、その際には相談事をされ(気恥しいですが)アドバイスをする事も多々ありました。彼女はなんと私の言葉をメモに書き留めていました。私は背筋が伸びる思いをしたものです。

また先日は、編集作業でお付き合いのあった 印刷出版会社のはっとりちゃん(40代前半の男性)からもメールとお電話を頂きました。退職し もう2年が過ぎましたのに 覚えていてくれて嬉しい限りでした。会社の近況や編集業務のこと等で話が弾みました。

私の近況を尋ねられたので「最近は朗読のレッスンで 樋口一葉の『たけくらべ』」を学んでいるの。丁寧に読むと深くて素晴らしい小説よ。」と答えました。序でに 参考文献まで紹介してしまいました。(ご迷惑だったかしら?)

私にとっては『たけくらべ』が最も旬な話題だったので、熱く語ってしまいました!

彼は「良いですねぇ・・。私は恥ずかしいのですが『たけくらべ』は未だ しっかりとは読んだことがありません。でも 気にはなっていました。是非、読んでみたいと思います!」と爽やかに応えました。以前から 清々しい好青年でしたが、更にステキな男性になったなあと私は思いました。

覚えていて下さって 気にかけて頂くのはとても有難いことです。忘れられてしまう事が一番淋しいですよね。ですから 私は友人や知人たちに なるべく連絡を取るように心がけております。

ただ、気がかりなのが敬聴に伺っていた施設のご老人たちです。お元気でしょうか、訪れる人が少なくなって、淋しい思いをされていらっしゃるのではないでしょうか。施設のすぐ近くまで足を運んでも、ドアを開ける事が出来ない現状が辛く、もどかしい日々です。

カワラナデシコ

シュロソウ

2021年9月15日水曜日

127) 【徒然に】シャレた関係?

前回 126)の「パンチョ先生」を書いている時に思い起こした Ⅰ先生の素敵な言葉があります。今回はそのお話です。

私は在職中に一ヶ月ほど入院し 手術を受けたことがあります。学会誌の編集担当者は私 ただ一人で、入院中も気が気ではありませんでした。月刊誌ですので休刊は出来ず、術後も直ぐに 病院内の公衆電話から職場(事務局)や出版社等への連絡は欠かしませんでした。

それにしても 主治医の先生や職場(学会)の先生方、また友人達にはたいへんお世話になりました。本当に有難いです。兄弟や従姉妹は(みな地方在住)病院近くにウイークリーマンションを借り、交替で看病をしてくれました。感謝しかありません。

さて、その中のお一人 A先生はつい最近まで J大学の学長で、当時は脳外科の教授でした。A先生はⅠ先生(このブログ 27) 番外編「回想法」【 余談 2 】をご参照)の愛弟子であり、脳外科学会の役員でもありました。そのA先生とは私がJ大学にて学会誌の編集に携わって以来の長いご縁です。

ある時、何度か検温にいらっしゃる看護師さん(女優の山本陽子さんによく似た 超美人でした)から「A先生は毎日 あなたのカルテチェックや様子を診にいらしているけど、どんな関係?」と唐突に尋ねられました。

私は真意が分かりかね、言葉に詰まりました。とにかく誤解を生まないように、A先生が講師時代に、私はお隣の教授室 (当時はⅠ先生が教授) で編集業務を行っていた等、細かくご説明しました。冷や汗がでました。

後日、その経緯を恩師 Ⅰ先生にお話しすると一笑に付した後 「バカだなぁ。そんなこと、いちいち真面目に答えんでもよろしい。」と言われました。私は「そうですかね・・。でも、A先生は看護師さん達に評判が良く おモテになるので、へんに誤解されないようにと思って(ご説明したのですが)・・。」と返答しました。

そして、逆に私はI先生に訊ねました。「そのような場合、どのように答えれば よろしいのでしょうか?」と。

I先生曰く「そうだなぁ。まあ、シャレた関係とでも言っておけ!」とのお返事。さすがです・・! 数々の有名人をお相手にされているスター教授は違います。野暮ったい私の頭には浮かばない言葉でした。洒落っ気たっぷり 遊び心満載 のI先生です

私はこのエピソードとその言葉を友人達に伝えましたが、ついでながら、母や兄にも話して聞かせました。すると、同じ血筋の兄は大いに感動しました。「なるほどなー。我々には言えない言葉だなぁ。」と兄。そして「おしゃれな関係か・・。」と。(・・・?私。)

「シャレた関係」と「おしゃれな関係」は全然違います。やっぱり我が兄、見事な野暮天です・・。ともあれ たくさんの方々にお世話になった 感慨深い思い出と言葉です。


ニコライ堂