北海道のTご夫妻とは 帰国後も連絡を取り合うほど 仲良くなりました。そしてお二人は夕食のみならず 朝食や昼食の時にも 私の席を取っておいて下さるようになりました。
そのうち 他のメンバーに対し私のことを「うちの娘!」と冗談交じりに吹聴しはじめました。メンバーの何人かは真に受け、また 訝しく思われた方々は私にその真偽を確かめにくるようになりました。
そんな中でのオスロ観光です。見学はノルウェー王宮やオスロ市庁舎、そしてヴィーゲラン彫刻公園などでした。足元の悪い階段で、私はかなりご高齢の女性の手をとり(手を繋いで)歩いたところ、他の方々にやきもちを妬かれました。依怙贔屓した訳ではありませんが、まずかったのでしょうか・・。
今回のオスロ観光には私の二つ目の目的である ※ムンク美術館は入っていませんでした。しかし何としても行きたい場所の一つでした。私はひそかに添乗員さんにどこか途中(ムンク美術館に近いトイレ休憩所など)で降ろして貰えないかと頼んでおりました。
※ムンク美術館:画家エドヴァルド・ムンクの作品や生涯についての資料を展示している、ノルウェーのオスロにある美術館
でも 彼から『あなたがいなくなると皆さんが心配するし、一緒にムンク美術館へ行きたい等と言い兼ねません。一旦 ホテルに着いてから ‘こっそり’ 出かけて頂けると助かります。』とやんわり断られました。
さらに『ホテル到着後すぐに夕食となりますので、あなたの夕食は無しとなりますがよろしいでしょうか。英語は通じますから ホテルからタクシーを呼んで、そっとお一人でいらして下さい。』と言われてしまいました・・。
宿泊ホテルは館内ムンク一色でした。いたるところにムンクの複製画が飾ってあります。国の誉れ。市民から大切にされている画家なのですね。私は急いで部屋に荷物を置き、すぐにロビーに向かいました。
すると・・、ツアーメンバーのK赤十字病院の院長ご夫妻から声を掛けられました。『あら? もう直ぐ夕食なのに何処へいらっしゃるの?』