1階の事務の方より「今日は4階で行って欲しい。」と言われました。エレベータに向かっていると、先程の事務員さんが追いかけてきて「すみません。2階フロアでお願いします。」と変更されました。
2階に着くと、車椅子に座り カウンター席に一人ポツンとされている コウタロウさん(78才 男性)という方がお出ででした。男性入居者と一対一での敬聴は初めてでした。(大丈夫かな・・。)少々、わたくし 緊張してきました。
先ずはご挨拶と自己紹介をいたしました。コウタロウさんも‘やむ無く’介護士さんに紹介され頷きました。富山ご出身だそうです。J大学病院に通うための入居だそうでした。(凄い!)
少しお話をしましたが、コウタロウさんは(さっきまでお傍にいらしたと言う)もう一人の男性を探し始めました。お尋ねするとその方は40才くらいの入居者(?)だそうですが・・。その方を探しに行きたいので、車椅子を押して欲しいと頼まれました。しかし入居者さんの車椅子を押し移動するのは、傾聴ボランティアの禁止行為です。
結局、介護士さんが宥め(なだめ)賺(すか)して彼の車椅子を押しながら出ていきました。(因みに、その探していた男性とはリハビリの先生でした。)
その後、別の介護士さんから「この方と一緒に4階に行って頂けますか」と頼まれました。この方とは・・、前回 敬聴させて頂いた カツコさん(85才 女性)でした。(このブログの79)参照。)
カツコさんは私を見るとニッコリとなさいました。覚えていて下さったようです。介護士さんに車椅子を押されたカツコさんと一緒に4階に行き、フロア隅のカウンター席に移動しました。
あらためてカツコさんに向き合うと、薄ピンク色のマニキュアをした爪が目に留まりました。今日も素敵なメタルパーツが付いていました。そして指には豪華なルビーの指輪! 私が爪のマニキュアをお褒めすると、カツコさんは「本当はもう少し濃い色の方が好きなの。」と仰いました。そして・・、ファッションの話に花が咲きました。
カツコさんは私の着ていた服(濃いオレンジ色の麻のセーターと白いバミューダパンツ)を褒めて下さいました。そして私が着けていた馬のペンダントに手を伸ばされ触れました。
「あなた、センスが良いのね!」と。そして・・ 「それはどこのブランド?」とお尋ねになりました。「いえいえ、大したブランドではありません。」とお答すると、カツコさんは目を丸くされました。私は 前回 尋ねられた「そのパールのネックレスはミキモト?」を思い出しました。あの時も困惑いましたけれど・・。
カツコさんへの敬聴終了後、4階の皆さまにもご挨拶をして帰ろうとすると、(4階に入居の)マサさん(85才 女性、少々‘辛口’な方)から「次は(私にも?)話を持って来てね!」と言われました。
私がお一人の方とだけ話をしていたので、お淋しかったのでしょうか。羨ましかったのでしょうか。私は複雑な気持ちになりました・・。
でも、私が皆さまに力こぶを作ってみせると、あのマサさんからガッツポーズを返されました!
( 2019年 9月 10 日(火)16:00~17:00 )
紅葉と高揚 photo: (c) Hiro K http://ganref.jp/m/md319759/portfolios |