これからこの施設でも敬聴させて頂くことになりました。
傾聴のボランティアグループの先輩 I さんと施設の重厚なエントランスで待ち合わせをし、職員の方から指定された4階に参りました。なお、お部屋に伺う前には手洗いとうがいが必須でした。
ここでの傾聴は曜日と時間帯の指定があり、平日の16時からとのこと。また傾聴させて頂く方も当日 施設側から指示されるとのことでした。伺う場所は2階の個室か4階フロア(グループへの傾聴)だそうです。とても厳格です。
私達が格調高いエレベーターに乗り 4階に着くと・・、そこはまるでサロンのようでした!
フロアは焦げ茶と淡いピンクを基調としたおしゃれなインテリアで、落ち着いた雰囲気でした。女性専用のフロアのようです。
テーブルを囲み 1人掛けソファ 二つにお二方、3人掛けソファにもお二人がお座りになっていて、お誕生席(?)には車椅子の方もお出ででした。
そこには まったりとした時間が流れていました。
先輩の I さんが皆さまに「今日は私より少し若い方を連れてきました!」と私のことを紹介して下さると、すかさず 真正面の3人掛けのソファに座っていらしたマサさん(85才 女性)が「なんだ、少しじゃないよ。ぐっと若いじゃないか!」と仰いました。結構 きつい口調でした。
I さんも私も少々怯みました。その後もマサさんは I さんの言動に難癖をつけていました。(お淋しいのかも知れませんね。ご自分の方に関心を向け、構って欲しいのだと私は思いました。)
しかし、さすが先輩の I さんはめげずにご持参された ‘お手玉’ や ‘色カルタ’ などの傾聴用の遊び道具を広げました。
一方、私の方は自己紹介の後、I さんに勧められ 3人掛けソファの真ん中に座らせて頂きました。左隣が例のマサさんで、右隣はトキさん(83才 女性)と言うにこにことしたお綺麗な方でした。
トキさんは 「まあ、(あなたが)私の話を聴いて下さるの?」 と仰りながら、懐かしそうに昔話をきかせてくださいました。本郷生まれで中堅の化粧品会社(私が子供の頃、TVのCMで見たことがありました。)にお姉さまが嫁がれていると仰っていました。
そして 「私はね、こんなに立派な施設に入れて幸せなの。有難いわ!」 と何度も仰いました。 「ここはね、(入居金や月額費用が)お高いので職員の家族でも入れないのよ。」
そして「ご自分の親を介護(世話)もできず、他人の親の面倒を見るなんて悲しいわよね?」等と憐れんでおられました。(・・・切ない話です。)
他の方々は ただソファに座っていらっしゃるだけで所在なげに見えました。高級な有料老人ホームゆえ至れり尽くせりで、入居者は ‘おしぼりたたみ’ のような お手伝い事もなく何もすることがないようです。TVや時おりの訪問者との会話以外には。
もちろん、私がとやかくいう話ではありません。施設の基本方針とかコンセプト、また ご本人やご家族のご意向などがありますので。
でも、考えさせられました。「幸せってなんだろうか」と。どんなことでも良いので、人の役に立つことをして、周りの方に喜ばれる方が幸せな気が私はします。ゆしまの郷のキクさん(100才 女性)のように。
( 2019年 6月13日(木)16:00~17:30 )
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