2018年9月25日火曜日

56)キクさん語録 炸裂!

その後も キクさん(99才 女性)に当時の生活や また人生観などをご披露頂きました!

『当時は服など、そんなに(たくさん)持っていなかったわ。服なんて、夏冬それぞれ1~2枚あれば 充分よ。だって、綺麗な服を着たからといって、美人になる訳でもないのだから。』

『普段の生活や仕事などで「辛いなあ。」と思っても、もっと辛い思いをしている人が沢山いるのだから「私なんて幸せな方だ!」 と思うようにしているの。』など等、キクさん語録の炸裂でした。
私が『欲をかかずに ‘足るを知る’ と言うことですかね!』 と言うと、キクさんはにっこりとされました。

そして 『不機嫌な顔などしちゃダメね。美人なら 少々 仏頂面をしても ‘みられる’ けど、 不器量な人が怒ったり、むくれた顔をすると、ますます不細工に見えてしまうもの。』と。辛口のお言葉です!

ふと思い出し・・、私が 『キクさんは来月のお誕生日で100才になられるのですよね。凄いですね。ご立派です!』と言うと 『えっ、ほんと? 私、もう100才になるの?』『まだ、93才位かと思ってたわ!』とお答えになりました。数字が具体的です。

『でも・・、100年も生きたから、もういいわ。充分よ!悔いはないわ。』 と付け加えました。『最後に「ありがとう!」って言って死にたいわ!』 とお続けになりました。
素晴らしいです。ステキなお言葉と見事な生き方です!

そこに、例のガッコの先生 (サトシさん 70才 男性) の登場です。

テーブルを挟んで、キクさんやトシコさんの前に座り『いやあ 皆さん、何の話ですか。 〇〇△△××・・・。』等と言ったり、『僕のワイフがね、〇〇と言うんですよ。そしてね、××と言ったりして、・・・云々。』『人間はみな仲良くしないとなあ。だってね、ここに人がいてね。・・・むにゃむにゃ』 など等。

そして、辺りかまわず議論を持ちかけました。サトシさんは少々理屈っぽく、しつこい方のようです。皆さま・・、辟易しているようでした。

トシコさん(94才女性)は私の顔をみて『(この方は)何を言っているのか、難しくて分らないのよ!』『うるさいの!』 と困ったように仰いました。

キクさんも流石にうんざりされ『(サトシさんの話のように)訳の分からない話でも「うん、うん・・。」と聞いていれば良いのよね?』と 私に同意を求めました。でも、私も・・理解に苦しみました。

そんな状況を俯瞰していたカズさん (105才女性) は、サトシさんに向かってご自分の口に人差し指を当てて見せました。どうやら 「お黙りなさい!」 という合図らしいです。
さすが、ご長老、大姉御、お姉さまは強いです!

そうこうする内に敬聴も終了時間となりました。私が皆さんに暇乞いのご挨拶をすると、サトシさんが 『いや、ご苦労さま!』 と言って手を差し出し、私に握手を求めました。(・・・?)

そしてニコニコとこの様子をみていたのは、インドネシア人の男性介護士さん、お二人でした。

( 実施日:2018年7月22日(日) 14:00~15:00 )


photo: (c) Hiro K
http://ganref.jp/m/md319759/portfolios

2018年9月15日土曜日

55)『クラス会? 良いわよねぇ~!』 その2  (『あゝ野麦峠』の世界! 14歳で製糸工場へ)

今日も東京は猛暑日!そんな中での訪問でしたが、今回の敬聴には一つ目的がありました。

それは 前回、キクさん(99才 女性)が話されていた当時の「クラス会(同期会)」についての詳しいお話を伺うことでした。

製糸工場のお休みは月2回だったそうです。おまけに給与は安く・・、でも、殆どの工女は家計の助けに実家へ仕送りをしていたそうです。幸いなことにキクさんのところは、第一次産業の農家ではなく、お父さまが大工さん(日銭商売、第二次産業?)だったので、仕送りしたお金は親御さんが貯金しておいてくれて、お嫁入り時に持たせてくれたとの事でした。(よかったです!)

また、お休みの日に友だちと遊ぶ時や同期会などで集まる時には、そのお友だちの家 (お金がかからないので)に行き、茶話会などをしたそうです。
メニューは煮物や漬物。また豆を煮たものもあったと懐かしそうに仰いました。お砂糖を入れて煮たお豆はデザート(お茶菓子)にもなりますしね!


さらに、同期会など大勢の場合には集会場を借り、各自がお料理を一品づつ持ち寄って 集まったとのことでした。

ただ、当時 砂糖はとても貴重で高価だったらしく、キクさんはうっとりとした表情で『お砂糖を入れた煮物は美味しいわよねぇ!』 仰いました。昔はお砂糖を入れずに味付けした煮物が多かったそうです。

『食べるものがあって、健康で 生きていられるのは幸せ。有難いことよ。』

『そう思って(わたしは)生きているの。』 とキクさん。

私が『今、キクさんが一番お好きな食べ物は何ですか?』とお尋ねすると、

『そうねぇ、やっぱりお砂糖の入った煮物かしら。』と即答でした。
(・・愚問でしたね。)

良い話です。こころが温かくなりました!

( 実施日:2018年7月22日(日) 14:00~15:00 )



太宰府天満宮