2018年4月25日水曜日

46) 【番外編】 「MCI (軽度認知障害)その時あなたならどうする!?」

          ―講演会 その2― 2018年2月3日(土)

MCI(
軽度認知障害)と診断された山本氏は、以下のような治療法を選び、現在も続けているそうです。

①薬の服用
②デイケア(通所リハビリテーション)で認知力アップのトレーニング
 メニューは「筋トレ」「芸術療法」「音楽療法」「デュアルタスク」

  「認知ゲーム」等。
   これらは脳に刺激を与えることで症状の進行を遅らせることが出来る。
③本山式筋トレ(効果大だと山本氏は提唱。)
 強めの筋トレで脳に刺激を与えることにより、脳細胞と感覚神経がつながる

 という理論
④生活習慣の改善

 
※以下は山本氏が提唱する【規則正しい生活 (生活のメリハリ) 7つの習慣】

①運動:30分位の速足散歩(会話が出来ない位の速さ)で
坂道や階段を使い
      1日1万歩を歩く。これを週3~4回行う。
    少し強めの筋トレ(使っていない脳細胞に刺激を与え、脳と各神経が
    繋がる。つまり、筋トレにより脳内で傷ついた血管の代わりに新し
    い血管が作られるように促され、さらに新しい 神経細胞のシナプス
    も生み出されるので、一度衰えた『脳内ネットワーク』を強化するこ
    とが出来るため。)
②料理:買い物から始め、料理の段取りも考える(認知機能低下を防ぐ) 
    
なるべく、脂っこいものや塩分の強いものを控えたバランスの良い食
    事にし、青魚、野菜、玄米などを積極的に摂るようにする。
③歯みがき:自分の歯で噛むことが脳に刺激を与える。
 
      山本氏は一日に5~6回歯みがきをするとのこと。
④音楽:山本氏はプサルテリー(ヨーロッパの擦弦楽器、48本の弦を弓で弾
    く)を奏で、毎月演奏会を催して、記憶力と注意力の改善を図って
    いるとのこと。
⑤絵を描く:発想力や集中力が鍛えられ、脳の活性化に繋がる。
⑥脳のトレーニング(知的活動):注意力等を高める。

    パズルや折り紙、麻雀や囲碁、将棋などが良い。一人でやるよりは
              大人数でワイワイと楽しんでやることも『脳内ネットワーク』に良い
       影響を与える。
    また、認知ゲーム(アメリカの脳エクササイズ)等も良いらしい。
⑦睡眠:
7時間以上の睡眠と20分程度の昼寝脳機能が回復する。
    睡眠がアミロイドβ(認知症の原因の一つ)と言うたんぱく質を洗 い流
    してくれるため。そして睡眠薬の服用や夜更かしは禁忌とのこと。

※上記のように、負担の少ない習慣(15~20分程度)を作り、毎日同じ時間に

 行い、継続する事が大切であるとの事。そして前向きに生き、いろいろな事
 に挑戦して社会との接点を持つ事がとても大事とのことであった。
 もちろん、ストレスは厳禁である。

【結論】
・脳からのSOSのサインは患者本人が一番早く気付く
・変だと思ったら、先ずは専門医に相談する
・早期発見すれば、早期に治療ができる。

【補足】
最近では、意外な嗜好品が認知症予防に有効という報告もある。
イタリアのバーリ大学などの研究チームが発表したところによると、習慣的にコーヒーを飲む人は飲まない人と比べてMCIになりにくく、コーヒーを飲まない人に比べ発症リスクが1日1杯で半分、1日1~2杯だと3分の1まで減少したという。  

                           
                                       
四天王寺 蜂須賀桜




東寺

2018年4月15日日曜日

45) 【番外編】 「MCI (軽度認知障害)その時あなたならどうする!?」

    ―講演会 その1― 2018年2月3日(土) 

傾聴の会主催の「※MCI(軽度認知障害)」の講演会に出席しました。

講師は山本朋史氏。1952年生まれの現在65歳です。週刊朝日で30年以上もスクープ記者として活躍し、また、安野光雅画伯の担当もしていた方です。
私は2017年の11月に放映された、Eテレの「あしたも晴れ! 人生レシピ」で山本氏を拝見したこと がありました。
 

彼は60歳を過ぎた頃から物忘れが多くなり、その後に受診し、2014年1月に軽度認知障害(MCI)と診断され、現在、認知症の早期治療に励んで いる当事者です。

※MCI=Mild Cognitive Impairment(軽度認知障害)は、認知症の前段階(予備軍)と言われ、 適切な手当てをしなければ認知症になる確率が非常に高く、早期発見・早期治療が重要と言われている。放っておくと4~5年で認知症になるが、軽度認知障害(MCI)は治る確率が高い。

MCI 5つの定義
1.記憶障害の訴えが本人または家族から認められている
2.日常生活動作は正常
3.全般的な認知機能は正常
4.年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する
5.認知症ではない


MCIを放置すると認知機能の低下が続き、MCIから認知症に症状が進展する人の割合は年 平均で10%と言われている。そして5年間では約40%の人が認知症へとステージが進行する。

厚生労働省は、認知症とその予備軍とされるMCIの人口は862万人存在すると発表しており これは65歳以上の4人に1人という事で、認知症やMCIはとても身近な問題である。
 

MCIは適切な治療・予防をすることで回復したり、発症が遅延したりすることもある。従って、早期にMCIに気づいて対策を行い、症状の進行を阻止することが大切である。適切な対策を行うことで、MCIになったとしても認知症の症状が最 後まで出ずにすむケースもある。

山本氏のMCIへの兆候は、取材日程のダブルブッキングやメモをする時に簡単な漢字さえ出てこなかった事などだそうです。
 

※以下に、自分でできる「軽度認知障害セルフチェック」を記載します。
 

・この頃物忘れがひどいと思う、他人からもひどいと言われる。
・頻繁に物忘れや探し物をする
・何かしようと思っても、何をしようとしたのか直ぐに忘れる
・最近、億劫で何事もやる気が起きない
・覚えていたはずの漢字が書けない時がよくある
・今日が何日だったかよく忘れる
・家電製品やスイッチの操作にまごつくことが多い
・会話で言葉がすらすら出てこないことが多い
・字を読むことが面倒で新聞や本を読まなくなった

上記の症状をもとに山本氏は病院に行き、「認知機能検査」や「MRI」などの精密検査を受けMCIと診断されました。



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