2017年3月25日土曜日

12)圧巻! 102才と90才のデュエット 『二人は若い!』

介護職員のFさんが 『今日は〇〇さん(私のこと)のために、皆でカラオケをしましょう!』 と言って下さいました。

フロアーにお集まりのおじいちゃん、おばあちゃん方は心得ているようで、嬉しそうに、そして少し背筋を伸ばして準備を始めました。
一方、初めての私は何を手伝ったらよいか解らずにウロウロ状態です。

介護士のFさんは、手際よく手作りの歌詞カードを二人一組に配りました。
お年寄りたちは神妙な面持ちで歌詞に見入っておりました。

ページを繰り 『籠の鳥』 から 『湯島の白梅』 (季節にピッタリでした!)など等を、それぞれの音程(?)で歌いはじめました。皆さま、それはそれは生き生きとしておられました。

そしてクライマックスは102才のカズさん(女性)と90才のヨウジさん(男性)によるデュエット 『二人は若い~♪♪』 です。お二人とも若々しく大きなで・・・。かんどうです! 
圧巻でした!

楽しい時間はあっという間に過ぎ、最後の締めとして、フロアーに集まった全員による『ソーラン節』 と 『草津節』 (手踊りつき)が披露されました。

皆さまに交ざりご一緒しているうちに、私はだんだん情がうつり、来年もまた同じ方々とお会いしてお話がしたいと心から思いました。

しばしそんな風に思いを巡らせていると、お馴染みのカズさんが 『○○さん!(既に私の名前を覚えていて下さり) 今度はいつ来るの?いつ来てくれるの?』 と仰いました。
 『いつもは‘土曜日’にお見えでしょ。今日は ‘日曜日’ なのにどうしたの?』 とも言われ驚きました。

私の訪問日を指折り数えて待っていて下さるのだと思いました。
来訪を願う思いが、ひしひしと伝わってきました。私は涙が出そうになりました。

「ボランティアと言えども、お休みしてはいけない。」と私は心に誓いました。

帰り際、私たちのやり取りを聞いていた介護士さんは『われわれ介護士は、時には入所者を宥めすかすことも必要なの!』 『また、お為ごかしもね。』と自嘲気味に言いました。


(実施日:2016年2月21日(日)14:00~15:00)



【L・O・V・E】
photo: (c) Hiro K
http://ganref.jp/m/md319759/portfolios





2017年3月15日水曜日

11) 長寿の秘訣? 教訓 その2

キクさん(97才女性)は自然がお好きな方で、若い頃には山登りに余念がなかったそうです。
『山々の空気や植物ってからだに良いのよ! すべて力になるの!』と仰いました。

でも、年をとってからは足腰が弱くなり、山登りは出来なくなったそうです。
目を伏せてさびしそうに仰いました。

けれども、その後、あらたな趣味「※詩吟」をみつけ嗜むようになったとの事で、施設でもご自分のお部屋に戻ってからは、持参した「詩吟」の本を開き一人でうたっているそうです。

※「詩吟」:歌のように詩文をリズムやメロディに乗せて歌うのではなく、詩文の素読(朗読)を基本とし、素読の後に特有のメロディ(節調)を加えることで、より効果的に詩情を表現するもの。

つまり詩を作った人の「喜びや悲しみ」或いは「苦しみや楽しみ」を声に出し、その感動をこころで表現するのです。
また、「※※漢詩」の吟詠であっても七言絶句が一般的のようです。

※※「漢詩」:タテの文字数とヨコの行数で名前をつける。
ヨコは行数が4行のものと8行のものがあり、
4行は「絶句」
8行は「律詩」という。

タテには7文字と5文字のものがあり、その組み合わせが4種類できる。
4行×5=五言絶句
4行×7=七言絶句

8行×5=五言律詩
8行×7=七言律詩

腹式呼吸にて大きな声を出すので血流がよくなり、健康にも良くストレスの解消にもなるそうです。

なるほど、それなら確かに長寿の秘訣ですね!

(実施日:2016年1月30日(土)14:00~15:00)



photo: (c) Hiro K




2017年3月5日日曜日

10) 長寿の秘訣? 教訓 その1 

本日の敬聴のお相手は長野県出身のキクさん(97才女性)とカズさん(102才女性)です。

お二人に『長寿の秘訣』と『ボケない秘訣』を伺うと、
カズさんは『良いお友だち(良い友だちとは ‘嘘をつかない友’ のことだそうです。)を持つこと。』 また『みんなで元気に仲良く、そして ‘楽しく’ 生きること!』とのお答えでした。(はい、 仰る通りでございます!)

さらに『だって・・、自分だけ生きていても楽しくないでしょ。』と付け加えました。現代社会の闇  ‘いじめ問題’  が私の脳裏をよぎりました。

たいへんな雄弁家です!円転自在。さすが102才のお言葉には重みがあります。『自慢話ばかりする人もダメよ。それから勝手な人や教養のない人もね。』だそうです。(少々耳がいたい!?)

さらに続きました。
『人に物を差し上げる時には、こころの籠ったものを選ぶこと。相手は心を味わうのだから。』
『人の話は (苦言も含めて) 感謝の気持ちで聞かなきゃだめ。素直にきける人は、 その言葉を ‘自分のものに出来る!’ の。』とも仰いました。

(私はなぜか10年前に亡くなった母を思い出しました。母は人に尽くす人でした。ご近所の娘さんの為に花嫁衣装を徹夜で縫い上げたそうです。その方は晩年まで父母に感謝し気に掛けて下さいました。) 

最後にカズさんはこう締めくくりました。

『ボヤボヤしていると、貴女もすぐに100才になっちゃうわよ!』
「関心や興味のある事にはいま直ぐに取りかかれ!」「チャンスは逃すな!」と発破をかけられている気がしました。

恐るべき102才! しっかりパワーを頂きました!

(実施日:2016年1月30日(土)14:00~15:00)


鞍馬