6月15日に文京シビックホール会議室にて、特別公開講座「触る文化」が拓く共生社会の未来―ユニバーサル・ミュージアムの実践からーが開催されました。満席の大盛況でした。
講師は広瀬 浩二郎氏。全盲の文化人類学者で、現在は国立民族学博物館の教授です。「座頭市流フィールドワーカー」あるいは「琵琶を持たない琵琶法師」と自称する先生です。
13歳の時に失明。筑波大学附属盲学校から京都大学に進学し、同大学院にて文学博士号取得。日本宗教史・民俗学・障害者文化論・触文化論を研究。2023年12月には 令和5年度文化庁長官表彰を受けました。
先生は非接触が強調されるコロナ禍の中、触れ合いの大切さを訴える「ユニバーサル・ミュージアム展」を大阪で開催しました。全ての展示物を自由に触ることができる「ユニバーサル・ミュージアム展」の全国巡回を目指しているそうです。
私は広瀬先生とは今回で三度目の御目文字となりますが、その変わらぬ若々しさと純粋さに驚嘆しました。今回は受講者ではなく、司会者の立場での再会となりましたが、そばに居るだけで幸せな気分になりました。
数分間の打ち合わせ(ご挨拶)の際、私は先生に一言だけ申し出たことがあります。それは、ご講演中 私は先生の傍、司会者席に(待機して)いる旨です。何か予想外のことが起こった場合には “対応する” という意味合いでした。そしてご講演中は邪魔をしないように気配を消すことに努めました。
障害をお持ちの方への対応はナイーブなことが沢山あります。大切なのはその方その方が望む手助けをして差し上げることです。然しながら 人それぞれ、ゆえに難しいです。ただ、少なくともお声がけは必要だと思います。私は『小さな親切、大きなお世話』にならぬよう気をつけました。
ご講演は予想通り 素晴らしいもので、時には冗談を交えユーモアたっぷりに話されました。心に響きました。講演の中にリラックス体操までご用意されていて、私は広瀬先生のご指名により、先生と両手を合わせて即興のパフォーマンスをしました。
後日、広瀬先生と面識のある知人は仰いました。『広瀬浩二郎先生には何度かお会いし、