目を遣るとマリコさん(79才 女性)が一人でポツンと座っておりました。
あらっ、どうかしたのかしら?
すると、お馴染みの介護士Fさんが『今日は健康診断で、みんな疲れて部屋で休んでいるのよ。』とそのわけを教えてくれました。
早速 マリコさんの傍に行きご挨拶すると、とびっきりの笑顔で『あのね、先生(昨年の「観月祭」(このブログの 22)に掲載)以来、私のことを ‘お花の先生’ と呼びます。)にお見せしたいものがあるの。 一緒に来て!』とおねだりされました。初めてです、マリコさんから強請(ねだ)られたのは。
『見て欲しいものがある!』と軽快に車椅子でわたしを誘導し、エレベーター前の掲示板に貼ってある、クリスマスツリーの ‘ちぎり絵’ を指さしました。 どのちぎり絵がマリコさんの作ったものか、私は目を凝らして探しました。・・ありました! シンプルに一色だけの飾りをつけたツリーが。
しばらく眺めていると、マリコさんは『わたしのツリーは寂しいでしょう?』と(私の)様子を窺うように上目遣いに見上げて言いました。
私が『すっきりした素敵なツリーですね!』と言うと、マリコさんは満面の笑みを浮かべました。
そしてフロアーに戻ると、今度はご自分のお部屋から、上半分が塗り絵になっているカレンダーを3~4枚持ってきて見せてくれました。多色使いのごちゃごちゃした色合いがお嫌いらしく、こちらも2色の色鉛筆だけで塗られておりました。
それから、私の顔をまじまじと見て、『先生(私のこと)が活けたお花の写真をまた見せて欲しい!』とお願いされました。マリコさんは本当にお花が好きなのだと思いました。
もしかしたら、マリコさんも 昔 お花を習っていたのかもしれないと思いました。或いは「お花関係のお仕事」でもしていらしたのしら?
( 実施日:2017年12月9日(土) 14:00~15:00 )
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